見出し画像

願わくば、旅の合図が鳴らない日々を。/0715すず

詞「置き土産」

つらい 君がそう言うから
わかった 今すぐそちらへ行こう

遠いですよ? それがどうした
今この瞬間にチケットを買った

残念ながら
私は頭がおかしいんだ

バスは1本しかありません
トイレに行けたら問題ない

本気ですか? 残念ながら
私は頭がおかしいんだ

日が落ちるのを窓から眺める
案外、世界は平らに広い

何気ない会話
少し多い食事

何もかも捨てて二人で逃げよう
舌と一緒に噛んで飲んだ

「大丈夫」
真っ暗な朝ごと君を抱きしめる

本当に来ると思ってなかった
残念ながら



何度だって証明するよ



電波なんてないハコに乗って
体を2つに掻っ捌いた

風が何か叫んでいるが
手を伸ばしても掴めやしない

海と山を繋ぐそれは
私の命など気にもしない

日が昇るのを窓から眺める
案外、世界は平らに丸い


詞の物語

呪いを背負った人たちに
新たに呪いをかけたことがありました
「つらい時、誰も何も浮かばなかったら連絡して」
さよならの捨て台詞
どうしようもない時に浮かぶ呪いです

色んな場所へ行きました
その度に一人旅
旅の途中、知らない人と話すことが多く
そんな時間を愛しました

緑をかきわける車両
目の前の人が、ずっと絡まるネックレスと戦っている
その姿がなんだか可愛くて、ついお節介
ほどいて渡した時の、安心した笑顔が嬉しかった

真夜中のタクシー
オレンジ色のライトの中、運転手さんとおしゃべり
「ガソリン代は自腹なんだよ~」
「えー!?」
なんて、元気かな

北海道

今回、一人旅の中から
忘れられない旅、北海道へ行った記憶を元に詞を書きました。

雪と砂が混じる空港
1本しかないバスを待つには
なんだかちょっと寂しい景色
選ばれたのは、チェーン店でした
知っている店があるのは安心だな
海外の方がス○バを利用するのは、こんな気分なんだろうか?
バスが来る

何時間も揺られたバスは
たまにぽつりと背中が増えて
しばらくすると静かに消える

だだっ広い道をひたすら進み
地球が平らだと思うのもわかる景色
たどり着いた世界の果ては
自分の命しかありませんでした

大自然にとって自分がどれだけ小さいか
殴られたような感覚
この旅の出会いは 孤独 でした

こんなところで戦っているのか
その人を想いました

最近、一人旅はしていません
どうか私を思い出さないまま
どこかで元気でいてほしい

おまけのぼやき

この「置き土産」は、7月のテーマが発表されたときに書いたものです。
その後、私の文章は 詩 じゃないのかな?と思い始め
 詞 という漢字にしてみました。
フリーペーパーの文章も「歌詞のようだ」という感想を
何件かいただいたので、良いかな??と
もしかしたら、それが私の特徴なのかな??と思ったり
自分では、わからないことがたくさんあります。自分のことでさえ。
仲間のおかげで知る自分、はじめましてで面白い。
いつもありがとうございます。

詩 詞 言葉 で思い出したのが
映画「メッセージ」ですね。
言語学者が宇宙人とコトバを交わそうとするんですよ
興味がある方は、いかがでしょう?



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?