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知識の記録方式(24) KJ法とメモ

 商業用途の検索は仕事には使えない。時間の無駄であるが、他に代替方法がないから、やむを得ず使うしかない。使わないよりも探す時間は短くて済むからだ。それでも、別な方法がないのだろうか?といつも思っていた。
 昔、川喜田二郎先生が考案したKJ法であるが、企業の中でも、今でも使われている。一つのテーマについて、多くの意見を出し合い、その結果をいくつかのグループに層別し、テーマについての結論を見つける手法である。
 この結果は報告記録されるが、そのカードは輪ゴムで束ね、いつしか捨てられてしまう。そして、いつかまた同じようなテーマを違うメンバーがKJ法で行うことになる。思い出す行為は何回も繰り返えされるのである。このストレスは大変なものだ。
 環境の変化や技術の変化で、同じテーマであっても、異なる結論がまとめられることもある。しかし、記入したカードの8割が過去と同じであり、10人が半日かけて40時間の工数を使ったならば、過去のカードを利用できる場合には、10人で1時間で結論が出せる可能性がある。
 チームでアイデアを出し合い際でも、最後に残った結果以外は破棄されてしまう。
 或いは、原価低減活動におけるものづくりのコストを減らすアイデアも、効果の大きなアイデアだけが採用されて、他のアイデアは捨てられてしまう。原価低減活動は、実際のものを見ながら行うことが多い。この場合、形やサイズを変更すれば安くると分かっても、生産設備の改造ができないので、そのアイデアは却下となることもある。
 ものになってしまった後の原価低減は難しい。本来、この低減アイデアは、次の製品設計で織り込まなければいけないアイデアである。しかし、チームが異なる、しばらく開発の計画がなければ、忘れ去られてしまう。このようなせっかくのアイデアが企業の中で継承されないことが多いと思う。
 このようなメモはどこに記録できるだろうか?PCでテキスト作成ツールでメモを書いても、社内で共有は難しい。ファイルの置き場のフォルダ階層を、探しすのは面倒であるから守られない。個人のフォルダにファイルを保存するくらいしかやらないだろう。
 どこに置かれていても、原価低減アイデアが繭の糸のように引き出すことができなければならない。このようなことが可能になるのが、特徴点記録法なのである。

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