第12回:【SXSW2024レポート】現地で体感!世界の動き
こんにちは。デザイナーの三原です。普段はお客さま、クライアントの課題解決の観点で、Webサイトの制作からUI/UXデザインまでさまざまなデザイン業務に携わっています。
今回は2024年3月にアメリカのテキサス州オースティンで行われた「SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)2024」に行ってきたので、現地で体験したこと、感じたことをレポートしたいと思います。
SXSWとは
SXSW概要
SXSWは毎年3月にアメリカのテキサス州オースティンで開催される、音楽、フィルム、テクノロジーの国際カンファレンス&フェスティバルイベントです。
今年は3月8日〜16日の9日間にわたって行われました。
期間中はオースティンのダウンタウン一帯が会場となり、テクノロジーを中心としたカンファレンスセッション、エキスポ、XR体験、ミュージックフェスティバルなど多くのプログラムが開催され、世界中から延べ50万人が参加が参加する一大イベントです。
今回の視察目的
最先端のAIやXRを生で体験し、世界の潮流を肌で感じて、自社の事業に活かすことを目的に視察へ行きました。
SXSW2024のトレンド
開催されるイベントのプログラムは多くが事前に公開され、そこから今年のテクノロジーのトレンドを知ることができます。
今年はAI時代だからこそ問われるクリエイターの存在意義をテーマにしたセッションや、生成AIの展示など、AIについての数多くのプログラムがありました。
これは今後AIが私たちの生活と切り離せないものになっていくことを表しているのではと思います。
【準備】視察にむけて、日本でやったこと
オースティンについて情報収集をする
まず開催場所がオースティンと聞いて「どこだろう?」と思いました。
時差がどれくらいあるか、3月の気温はどれくらいなのか、現地での支払いは、物価は…など、海外出張が初めての経験で不安で一杯だったので、事前にいろいろと調べました。
日本との時差は-15時間。3月中旬からサマータイムが始まり、時間が1時間早まるため、イベント後半には日本との時差が-14時間になります。
さらに、気温は暖かく過ごしやすいですが変化も激しいので、涼しめの春服と上着を準備しました。
行ってみると、雨が降ると寒く、晴れると暑く、日によって差が激しかったので上着を持って行って正解でした。また現地での支払いは基本クレジットカードで、日本と違い現金を使うことがほぼ無いとのことで、私は2枚クレジットカードを持っていくことにしました。
公式アプリをインストールしてスケジュールを立てる
参加の申し込みをすると、イベント公式の「SXSW GO」アプリインストールの案内が、メールで届きます。このアプリを事前にインストールし、何時にどこでどういったプログラムが実施されるかを確認し、お気に入り機能などを使ってスケジュールを立てました。
日本人向けの事前説明会に参加する
SXSWにはJAPANオフィスもあり、日本人向けの説明会などを実施しています。無料のオンライン説明会では、おすすめのセッションや今年のトレンド、現地での過ごし方などを丁寧に説明してくれます。また、日本での事前交流会や会期中の現地での交流会、会期終了後の日本での報告会などもあり、事前の疑問や不安を解消し、会社や組織などの枠を超えて、参加者同士のつながりを増やすことができます。
【当日】いざSXSW2024へ!実際に体験してきたこと
現地の雰囲気は…?街全体がお祭りのような賑(にぎ)わい
日本での準備を済ませ、いよいよ現地入りです!
日本からオースティンのバーグストロム空港への直行便はありませんが、同じテキサス州のダラスやヒューストンなどを経由し、乗り換え1回、およそ14時間のフライトで行くことができました。
現地時間の3月7日(木)の夜に無事に着き、まずはメイン会場となるオースティンコンベンションセンターで参加者バッジを受け取りました。
街はすでにお祭りのような雰囲気で、ラップがぐるぐると巻かれた建物の柱が印象的でした。会期中は多くのプログラムの宣伝チラシが貼られるため、このようにカバーされるとのことです。
メイン会場から近い6番街はライブハウスやクラブが立ち並ぶ歓楽街で、年中賑(にぎ)わっているそうですが、SXSWの時期はさらに盛り上がるようです。
Creative Industries Expoで世界中のユニークな発想、技術を体験
ここからは実際のプログラムについて紹介します。
Creative Industries Expo は、世界中の企業や団体が技術力のアピールやユニークな製品、アイデアを発表する展示会です。最先端のテクノロジー、デザイン、ソーシャルグッド、健康とウェルネスなどに関するあらゆる業界が集結するプログラムです。
日本や韓国といったアジアの団体も多く出展しており、韓国はエンターテインメントに強く、K-POPとXR、AIを組み合わせた技術を多く発信していました。
日本はテレビ局が多く出展していて、AIによるアナウンサーの声生成技術や新素材による未来のインテリアなど、多様な技術を披露していました。
その他にも、Apple Vision Proを使ったVR体験や触覚フィードバックの研究など、多くの技術に触れることができました。
AI系のセッションが多数…!世界がAIに注目
セッションは世界中から多くの専門家が基調講演やパネルディスカッションを行い、タイムリーなトピックから社会課題までさまざまな分野について話を聞くプログラムです。
今年はAIに関するセッションが多く、AIによって今後私たちの生活がどうなるのか、生成AIの影響、クリエイターとしての役割などが議論されていました。
AIは今後勢いを増していく中で、法整備や土壌作りの課題が浮き彫りになっているようでした。
情報発信をポジティブに捉える、文化としてのPITCH
PITCHは専門家の審査員を前に技術やアイデアをプレゼンテーションする場です。
今年から学生カテゴリも追加され、盛り上がりを見せていました。
審査員はポジティブな面を取り上げることが多く、新しいアイデアを称賛する文化が感じられました。
Expo会場でも日本の大学主催の飛び込みPITCHが行われ、情報発信を積極的に行う姿勢が印象的でした。
XR EXHIBITIONでは没入感とコンテンツ力の高い作品に感動の連続
XR EXHIBITIONは最新のXR作品を体験できる展示会です。
最新のVR技術は高い没入感を追求しており、驚くべき技術進化を遂げています。
どの作品も高性能なグラフィックや音楽、触覚フィードバックを駆使しており、世界観を深く味わえるものでした。
技術の実装は大前提であり、それを使って新しい体験を生み出す企画力が重要であると感じました。
現地の日本人交流会も盛んで、情報収集や意見交換ができる
SXSW期間中には多くの日本人交流会も開催され、現地での情報交換や意見交換が盛んに行われました。
さまざまなバックグラウンドを持つ参加者たちとの交流は、新しい視点やアイデアを得る良い機会となりました。
また、公式イベント以外にも多くのネットワーキングイベントが開催され、リアルな交流の場が広がっており、大いに刺激になりました。
【番外編】SXSWを回るちょっとしたコツと、より楽しむために
英語セッションを聞くためのおすすめ翻訳アプリ
英語が苦手な私たちは、英語の文字起こしアプリや翻訳アプリを駆使しました。OtterやGoogle翻訳といったアプリを使ってセッション内容を理解し、セッション後に疑問点をクリアにするためにも活用しました。
Otter公式サイト:https://otter.ai/jp
夜は音楽イベントも楽しもう!
実はSXSWは当初、音楽イベントとして始まりました。そのため、夜には多くのライブが開催され、会場を回りながらさまざまなジャンルの音楽を楽しむことができます。
私も日本人アーティストのライブに参加して、新たな才能と出会うことができました。
おわりに
SXSW2024に参加することで、世界の動向を肌で感じることができました。現地での交流や新しい視点を得ることができ、AIをはじめとした技術の進歩を実感しました。
多くのことを感じることができたSXSW。また機会があれば視察したいですね。
以上、デザイナーの三原でした。