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【ユニコーン編】海外PropTech資金調達動向 vol.2

みなさんこんにちは、PropTech特化型VCを運営する株式会社デジタルベースキャピタルのアナリスト渡邉啓太郎です。
本記事では、グローバルにおけるPropTech業界のユニコーン企業についてご紹介します。


はじめに

本シリーズでは、海外のPropTech業界(Property×Technology,不動産テック)におけるユニコーン企業を数回にわたって紹介します。
ユニコーン企業とは、評価額がUS$10億(約1,100億円)以上で、未上場のスタートアップ企業を指します。調査会社CB Insightsの「The Complete List of Unicorn Companies」によると、2020年1月時点で、世界のユニコーン企業数は440社。そのうち中国の企業数が104社、米国の企業数が216社とこの2カ国で7割以上を占めています。
今回は不動産テック、建設テック業界のユニコーン企業を数回にわたって紹介するシリーズの第2弾として、5社を紹介します。世界中で注目を集めるユニコーン企業が、PropTech業界のどのような領域でどのようなサービスを提供しているのか、その動向を捉えることが目的です。


iBuyerビジネスのパイオニアOpendoorや中国版WeWorkのUcommune」等、米国・中国の注目ユニコーン企業5社を紹介

Crunchbaseや各社ウェブサイト等から2020年2月時点において、推定評価額US$10億以上で、未上場のPropTechユニコーン企業をまとめます。前回の記事「【ユニコーン編】海外PropTech資金調達動向 vol.1」では、Kattera・The We Company・QuintoAndar・Danke Apartment・VTSについて、評価額・直近の資金調達概要・事業概要等について紹介しました。
今回は2020年2月時点におけるPropTech業界のユニコーン企業のうち、Opendoor・Ucommune・REEF Technologies・Lianjia・Houzzの5社について個別に見ていきたいと思います。

Opendoor

webサイト_Opendoor

企業名:Opendoor
設立年:2014年 
本社:米国 サンフランシスコ
推定評価額:US$4B (2019年3月)
直近の調達概要:シリーズE、US$300M (2019年3月)、General Atlantic(リード)・SoftBank Vision Fund・SV Angel・GV・Fifth Wall等12社
事業概要
オンライン不動産転売ビジネス「iBuyer」のパイオニア企業。アメリカの20都市に拠点を展開し、Dallas,Phoenixが二大拠点。主に戸建て住宅物件が対象で、売却主はオンラインで物件情報を入力するだけで、Opendoor独自の価格算定アルゴリズムを用いて物件価格を算定し、現金でオファーが届く。最短5日で売却する事ができる。そのように買い取った物件を自社ポータルにリスティングし、転売するビジネスモデル。従来は平均で70日かかり、内見や価格交渉等手続きが煩雑であったという不動産売却の課題を解決している。2018年には1,100の物件を買取り、7,000の物件を再販している。2020年までに全米50州に展開する事を計画している。
参考記事
Opendoor HP
・2019年8月1日,Forbes,「Real Estate Startup Opendoor Offers First Look At A Complete On-Demand Process With New Buyer Program」
・2019年11月5日,CNBC,「More builders turning to cash-for-homes company Opendoor to spur housing sales」

Ucommune

webサイト_Ucommune

企業名:Ucommune
設立年:2015年4月
本社:中国 北京
推定評価額:US$3B (2018年11月)
直近の調達概要:シリーズD、US$134M (2019年4月)、Longxi Real Estate事業概要
中国版WeWork。上海、シンガポール、香港、ニューヨークなど世界中の35都市に160拠点を展開するコワーキングプロバイダー。中国ではWeWorkにつぐ2番手。IoTを導入したスマートオフィスの提供が特徴的であり、TikTokの運営会社であるユニコーン企業「バイトダンス」、大手動画共有サイト「bilibili」、ショートムービーの「快手」などがテナントである。
参考記事 
Ucommune HP
・2020年2月10日,THE WALL STREET JOURNAL,「The WeWork of China Gears Up for a New York IPO」
・2019年12月17日,Epual Ocean,「The Curse of Co-working: Ucommune Pitches Different Business from WeWork」


REEF Technology

webサイト_REEF Technology

企業名:REEF Technology
設立年:2013年
本社:米国 フロリダ
推定評価額:US$1B (2018年12月)
直近の調達概要:調達ラウンド・調達額非公開 (2018年12月)、SoftBank Vision Fund
事業概要
アメリカで駐車場を様々な用途に使えるスペースに転換するサービスを提供。北アメリカの25都市で4,500の駐車場を保有している。CO-founderでCEOのAri Ojavoは、駐車場は従来のようにただ車を止めるだけのスペースとしてだけでなく、人々をビジネスやサービスに繋げるハブとして活用できると考えてサービスを展開。スペースが限られている事や、コストが高いと言った理由で、人口密度の高いエリアにビジネスを展開できていない人・企業に向けて、デリバリー専用レストラン、バイクレンタルステーション、ライドシェアリング等のビジネスを展開するためのスペースとして提供する。また,2018年からデリバリー専用レストランREEF KITCHENをマイアミ、ロンドンで展開しており、今後北アメリカやイギリスでさらに増やしていく予定。
参考記事
REEF Technologies HP
・2019年6月25日,Business Wire,「REEF Technology Unveils Plan to Transform Parking Facilities into Multipurpose Hubs for the On-Demand Economy」
・2019年6月26日,South Florida Business Journal,「How this SoftBank-backed startup could transform parking lots into hubs for on-demand businesses」

Lianjia

webサイト_Lianjia

企業名:Lianjia
設立年:2001年11月
本社:中国 北京
推定評価額:US$6B (2017年4月)
直近の調達概要:シリーズD、CNY3000M (2017年4月)、Vanke
事業概要
中国に本社を置くO2O(オンラインtoオフライン)の不動産仲介会社。現在はアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド等10か国に拠点を持ち、8,000のオフラインストアを展開、150,000人のブローカーを雇用している。中国の不動産仲介市場においては40%のシェアを誇る。対象物件は新築住宅、中古住宅、賃貸住宅、海外住宅等々幅広い。従来のオフラインストアに加え、2008年からオンラインポータルChain Home Onlineの提供を開始し、両方のチャネルから、データドリブンな住宅物件仲介サービスを提供している。Tencent、Vanke等が主な投資家である。
参考記事
 ・Lianjia HP
・2016年11月18日,DIGITAL INITIATIVE,「When “Real” Estate Meets “Virtual” World」
・2018年8月10日,ENTRACKER,「How Lianjia leveraged Internet to evolve as $6 Bn online real estate company in China」

Houzz

webサイト_Houzz

企業名:Houzz
設立年:2009年1月
本社:米国 カリフォルニア
推定評価額:US$4B (2017年6月)
直近の調達概要:シリーズB、US$400M (2017年6月)、ICONIQ Capital(リード)・Seqoia Capital・GGV Capital等6社
事業概要
リフォーム、リノベの専門家と物件オーナーをマッチングするプラットフォームを提供。Houzzはwebサイト、モバイルアプリ上で住宅デザイン、インテリア写真、アイディア、アドバイスなど住まいに関するあらゆる情報をユーザー間で相互に提供し合うコミュニティとして機能している。そしてリノベの専門家は自身が過去に手がけた物件の写真を載せる事ができ、ユーザーは気に入ったデザインの専門家を選ぶ事でマッチングか成立する。ユーザー間で意見交換や情報発信が可能な「ディスカッション」機能や、複数の選択肢で迷った際に意見を聞ける「投票」機能など、住まいに関する悩みを解決する総合プラットフォームである。現在ではアメリカ、日本、フランス、シンガポールなど15カ国でサービスを展開し、4,000万人の利用者が世界中に存在。
参考記事
Houzz HP
・2019年1月30日,Tech Crunch,「Home improvement platform Houzz lays off 180, reportedly gears up for public listing」
・Future Work Technologies,「HOUZZ BUSINESS AND REVENUE MODEL」


おわりに

2020年2月時点におけるPropTech業界のユニコーン企業のうち、5社を取り上げました。米国、中国において、iBuyer、シェアスペース・スキル事業、住宅物件仲介事業等の事業が大きく成長しており、日本国内にも類似のサービスを展開する企業が存在しています。グローバルにおいても、特殊なビジネスモデルを構築するものは珍しく、iBuyerのように従来の手続きプロセスの簡略化や、使わない部屋を間貸しするシェアリング事業のように、既存のビジネスの効率化がメインのテーマの一つとなっています。


株式会社デジタルベースキャピタルとは
2019年に設立された日本初のPropTech特化型ベンチャーキャピタルです。人々の暮らしや働き方を豊かにするLaaSをテーマに規制産業(不動産、金融、建設)領域に関連するスタートアップへ投資しています。
主な投資先 X KitchenCLASADDressmodecasFUEL 等。

ベンチャー投資事業に加えて、大手企業向けのデジタルトランスフォーメーション、オープンイノベーションにおける戦略コンサルティングも行っています。
主な支援事例:ゼンリン、LIFULL、三菱UFJリースらによる次世代不動産情報インフラプロジェクト「ADRE」、一般社団法人第二地方銀行協会「SARBLAB」等。
PropTechスタートアップコミュニティPropTech JAPANの運営を行い、アジア最大規模のPropTech特化型ピッチカンファレンスPropTech Startup Conferenceを運営しています。

起業・資金調達のご相談、コンサルティング/リサーチに関するご依頼等はお気軽にこちらよりお問い合わせください。


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