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かつおさんがやってきた!

家に来て撮影してくれる方を探していた。

同居する夫のおじいちゃんが、年が明けると米寿を迎える。

うちは夫の祖父母、両親、私たち夫婦と子どもたち…9人家族で、折々に写真館で撮影はしていたが、家族全員の写真は撮ったことがなかった。


かつおさんこと、仁科勝介さんは大学在学中にスーパーカブで日本の全市町村を回った方だ。

初めてそのことを知った時、単純に「いいなぁ!」と思った。 

若くて、無茶苦茶で勢いがある。それでいて写真はやさしくて懐かしくてノスタルジックな想いになるのだった。

このたびフリーになられて、地方でのお仕事も受け付けていると知り、単純に会ってみたいと思い連絡すると、トントン拍子に地元まで来てくださることになった。

以前だったら連絡しても難しいかなぁと二の足を踏んでいたかもしれない。このコロナ禍で、思った時に思ったことをしておこうという気持ちが強くなっていた。


当日、駅まで迎えに行った。

実は唯一のデパートが撤退してしまい、寂しい駅前になっていたのだが、昔からある大判焼き屋さんだけが相変わらず営業しており、嬉しさと焼きたてアツアツを食べて貰いたい気持ちで大判焼きの箱を抱えて立っていた。

そんなわけで、間違うことなくすんなり会うことが出来た。


駅から自宅に到着し、とりあえず母屋で全員集合写真…となったが、子どもたちのテンションが上がりすぎてとにかくガチャガチャ!

そのあと、おじいちゃんとおばあちゃんの写真を撮ったが、襖を開けて突然娘が飛び出す。息子は走り出す。末っ子はちょんと豆イスに座っていたが真顔…

でもそれぞれ夫婦で写真を撮り、おばあちゃんとお義母さんは嬉しそうだった。

庭でもよちよちの末っ子と手を繋いで3人の子どもたちのショット。かけっこや自転車。

私たちの部屋や子ども部屋でも撮ってもらった。

かつおさんからの指示はほぼなく、好きなように撮ってもらった。

やっぱりガチャガチャして、斬新な家族写真になったと思うが、写真館とは違う、普段の姿を撮ってもらうことが出来たと思う。


かつおさんは想像していた以上に腰が低くてふんわりとした雰囲気の持ち主だった。

人の良さが滅茶苦茶伝わってくる。

なんとなく良い意味で人たらしな感じもする。一緒にいて気が抜けるタイプ。まったくなんの根拠もないので責任は取れないが、きっと東京に行っても人との繋がりでなんとかなると思う。

これからたくさんの経験をして、いろんなものを見て、その景色をお裾分けしてくれるだろう。

それが楽しみで応援したくなる。

もちろんかつおさんから見たうちの家族はどう写ってるのか、写真の仕上がりもとっても楽しみだ。



余談だが、お義母さんには「仁科です」と自己紹介していたが、夫には「かつおです」と名乗ったらしく、お別れした後にそのエピソードでクスリと笑ったのでした。

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