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ハッチング 孵化 幸せ家族の闇 孵化したものは?

あらすじ

北欧フィンランド。体操の大会優勝を目指し、日々練習に励む12歳の少女ティンヤ(シーリ・ソラリンナ)。
一方、完璧で幸せな自身の家族動画を世界へ発信することに夢中な母親(ソフィア・ヘイッキラ)。
ティンヤはそんな母を喜ばすため、全てを我慢し自分を抑制していた。
ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つけ、家族に秘密にしながら、その卵を自分のベッドで温め始める。
やがて卵は大きくなり、遂には孵化。卵から生まれた“それ”は、幸福な家族の仮面を剥ぎ取ってゆく……。
第38回サンダンス映画祭でプレミア上映され、話題を呼んだ北欧発のイノセントホラー。

解説と感想

まず思ったのは、この映画はナタリー・ポートマン主演の「ブラックスワン」と同じテーマを描いているということ。
この映画のヒロインのティンヤが打ち込んでいるのは体操、「ブラックスワン」のヒロインのニナが打ち込んでいるのはバレエ。
2つとも、食事制限など厳しい制限を己に課し、厳しい芸術性が求められる種目であることが、ティンヤとニナが抱える友人と楽しく過ごしたり好きなものを食べたい異性への興味などの欲望を抑圧し、少しずつティンヤの分身になっていく雛鳥アリとニナの中の黒鳥が次第に暴走していく展開で既視感あるものの、ティンヤの母が自分の家族の幸せ動画をSNSにアップすることに夢中というSNSでの承認欲求を満たすことにハマっていく現代の闇や姉ティンヤばかり構う母の愛を欲しがる弟マティアスやことなかれ主義の父をストーリーに絡めることで、表向きはお互いに支え合い愛し合う家族の仮面の奥にある闇がティンヤの分身アリに剥がされていくファミリーホラーの要素が抑圧された自身の闇が暴走するサイコサスペンスと組み合わさり、余計に胸糞度が増したサイコサスペンスホラー映画。

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