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リリーのすべて 男と女のあいまいな境 その2

あらすじ

風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、肖像画家のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)と結婚し、デンマークで充実した日々を送っていた。
ある日、妻に頼まれて女性モデルの代役をしたことをきっかけに、自分の心に潜む女性リリーの存在に気づく。
その後もゲルダがアイナーの気の進まない業界のパーティーにアイナーを参加させるために、イタズラ半分でアイナーに女装をさせ参加したことで、はっきりと自分に潜む女性リリーが本当の自分と気づくようになる。
画家としてリリーを描くことで大成出来たとは言え、少しずつ女性リリーに変化して愛する夫アイナーを失っていくことを受け入れ難く切ない想いをするゲルダ。
ホルモンバランスが崩れたアイナーは、婦人科医から性同一性障害であると診断され、適合手術を受ける。
葛藤を超え、愛する夫アイナーの本質がリリーであることを受け入れ、ゲルダはリリーを支えていく。
オスカー俳優エディ・レッドメインが、世界で初めて性別適合手術を受けた人物を演じた伝記映画。

感想

エディ・レッドメインは、トランスジェンダーのリリーを演じるため減量や女性のしぐさだけでなく、実際にトランスジェンダーの女性に話を聞き完璧に役作りをし、自分の中の女性が目覚めていく時の戸惑いと喜びと妻に対する罪悪感をも繊細に演じ切っています。
ゲルダを演じるアリシア・ヴィキャンデルも、愛する夫アイナーに対する未練を抱えながらも、アイナーの本質である女性リリーを支え愛するゲルダを丁寧に演じています。性同一性障害の定義が浸透しておらず、精神科医ですら同性愛や分裂症と誤診したり、偏見のために苦しんだ当時の状況もしっかり描かれた傑作ラブストーリー映画です。

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