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ロング・グッバイ ドラマ「探偵物語」の元ネタになったフィルムノワール

あらすじ

靴をはいたままベッドでうたた寝をしていた私立探偵マーロウ(エリオット・グールド)は、腹をすかせた猫に起こされてしまった。真夜中の3時、あいにくペットフードを切らせていたので、オールナイトのスーパー・マーケットに買い物に出た。
だが、せっかく買ってきたペットフードが口にあわないのか、猫はふらりと外に出ていってしまった。
猫と入れ代わりに友人のテリー(デイヴィッド・アーキン)が、やってきた。
夫婦喧嘩の末、家を飛び出し、頭を冷やしにメキシコに行くという彼を、マーロウは、メキシコ国境の町まで車で送ってくことになった。
翌朝帰ってくると、テリーの妻ジュリアが殺されたことを知らされる。
テリーを匿っていると疑われたマーロウは警察にしょっぴかれたが、テリーがメキシコのある町で自殺したため、すぐに釈放された。
翌日、マーロウの元に高名な作家ウエイド(スターリング・ヘイドン)の妻アイリーンから、行方不明の夫を捜してほしいと依頼があった。
ロサンゼルスのネオンの中を事件を求めて、しかも一抹の感傷を抱いてさまよう私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とするレイモンド・チャンドラーの小説の映画化。

感想

この映画の見どころは、なんといってもエリオット・グルード演じるフィリップ・マーローの魅力に尽きる。
ヨレヨレのスーツに、ボヤキ癖と一見冴えないが、友人や依頼人を守るためなら警察の取り調べやマフィアの暴力や脅しにも減らず口で返すタフな信念、面倒くさがりながらも面倒見の良い情の厚さ、飄々とした中にタフな信念を感じさせる男っぷりは、テレビドラマ「探偵物語」で松田優作演じる工藤俊作や「ルパン三世」のルパン三世など様々なハードボイルド・ヒーローのプロトタイプになったほど魅力的。
カレー印のキャットフードしか食べない猫やトラブルメーカーの親友テリーや依頼人に対するマーロウの面倒くさがりながらも面倒見の良い優しさが滲むユルいボヤキや警察とギャングに対する減らず口にニヤリとしながらも、テリーの妻殺しとギャングの金の持ち逃げとアル中小説家ウェイドのトラブルの意外な繋がりの謎解きのスリリングなサスペンス、ビターなオチに酔えるアバンギャルドなハードボイルド・サスペンス映画。
「お前のせいで、猫まで逃げちゃったぜ」

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