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「この漫画に無関心な女子はいても無関係な女子はいない」衝撃の少女漫画「さよならミニスカート」とは?

新宿駅で展示された宣伝広告や少女漫画雑誌りぼん編集部が絶賛し話題になっている少女漫画「さよならミニスカート」とは、どんな物語なのか?
可愛いミニスカート姿で人気のアイドルグループPURE CLUBのセンター雨宮花恋は、ファンとの握手会で切りつけられた。グループから脱退し、ミニスカートを止めスラックスを履き、本名の神山仁那という普通の高校生として登校している。そんなある日、仁那が通っている高校で、女子高校生が変質者に襲われる事件が起こる。足を触られショックを受ける被害者の女子高校生に、「そんなミニスカートをはいているから変質者に襲われるんだ」とからかう無神経な男子高校生に、「女子は男を誘うため触られるためにミニスカートをはいているんじゃねぇ」と敵意を剥き出しにする仁那。同級生の辻が、電車の中で痴漢被害にあい、偶然居合わせた仁那と堀内光が変質者を警察に突き出すのを手伝った。以前からクラスで孤立していた仁那に優しくしてくれる光と仁那は、親しくなる。だがPURE CLUBの友人サラから教えられた特徴に光が似ていることから、仁那は光が自分を襲撃した男ではと疑う。ここまでが、1巻のストーリー。
元になっているのは、欅坂46の平手友梨奈が握手会でファンに襲撃された事件。痴漢被害を防ぐために女性専用車両が導入されたり、痴漢や性犯罪被害者が「被害者にも落ち度がある」と無理解で無神経なバッシングにさらされている状況に、女子がどう立ち向かっていくかを描いている。
最近でも、性犯罪被害者のジャーナリスト伊藤詩織氏が、移民ヘイトイラストを描いたはすみとしこや国会議員杉田水脈に「バーにノコノコ行った彼女にも落ち度がある」とバッシングされたり、性犯罪の裁判では相変わらず被害にあった時の時間帯や服装が槍玉に上げられ被害者が不利になるなど、性犯罪被害者が不当な扱いを受ける状況がある。痴漢被害防止のために導入された女性専用車両にいちゃもんつけ抗議のために女性専用車両に乗り込む迷惑な男性グループが出てきた。ハロウィンでセクシーなコスプレした女子がTwitterで痴漢被害を訴えると、「そんなコスプレしていたら触りたくなる」と男性から無神経なツイートをされる。そんな男性に忖度して、「痴漢なんて大したことない。騒ぐことじゃない」「露出が多い服装やコスプレしているから被害にあう」など女性が被害女性の声を封じ込めるようなことを言ったり、「宴会や職場でのセクハラをスルー出来るのが大人な女子」と言って声を上げようとする女性の声を抑え込む地獄のような状況がある。
そんな男性の無神経さに「女子はお前らのためにミニスカートをはいているんじゃねぇ」「大したことない自分が黙っていれば済むと女子に言わせる状況が憎い」「アイドルは、自分もファンも人間と思っていない」と言ってくれる神山仁那は、女子にとって代弁者でスーパーウーマンのよう。だが仁那も、切りつけられた時のトラウマに苦しみ、可愛いミニスカートをはいてアイドルをやっていたかったのにアイドルを出来なくなった自分に苦しんでいる。こうした仁那の心理を通して、性犯罪被害者の苦しみや性犯罪の卑劣さや力で上回る男性に身構える気持ちを知り理解することで、女性と理解し支え合える世の中を作る一歩になると思う。そして「女子は男のためにミニスカートをはいているんじゃねぇ」と男性に啖呵切る仁那から、「ミニスカートをはいているから、女性だから何をされてもいいわけじゃない」と女子が社会にかけられた呪いを解き未来に希望を見出だし力強く歩く勇気を女性がもらえると良いと思う。
これから仁那が、自分のトラウマや無理解な世の中にどう立ち向かっていくか、展開が楽しみ。

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