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ザ・エージェント 私的トム・クルーズ主演ベスト作品

あらすじ

ジェリー(トム・クルーズ)は、全米一のスポーツ・エージェント会社SMIの有能なエージェント。
彼は高価な年棒と引き換えに選手の家族やファンの気持ちを犠牲にしてきた自分と会社のやり方は正しいのかと悩み、初心に戻って理想に満ちた提案書を一晩で書き上げ、提出する。
だが、あっさり彼はクビになり、あれだけいたクライアントも同僚ボブ(ジェイ・モーア)にごっそりさらわれ、残ったのは落ち目のアメリカン・フットボール選手ロッド(キューバ・グッディングJr.)のみ。
しかもジェリーの「僕についてくる者は?」の呼びかけに応えたのは、5歳の息子を抱えて姉(ボニー・ハント)の家に厄介になっているシングル・マザーの会計係ドロシー(レニー・ゼルウィガー)だけだった。
フィアンセのNLF広報担当エヴリー(ケリー・プレストン)に尻を叩かれたジェリーは、大学フットボールの花形選手フランク(ジェリー・オコネル)をクライアントに獲得せんとし、父親のマット(ボー・ブリッジス)は息子の将来をジェリーに託すと言ってくれた。
だが、ロッドを広告業界に売り込もうと気をとられている間に、マットはボブと契約を結んでしまう。
落ち込むジェリーに、エヴリーは「負け犬」と冷たく突き放して去る。孤独な彼を包んでくれたのはドロシーだった。
離婚経験のある姉ローレルの忠告にも関わらず、ドロシーはジェリーに急速に引かれていき、息子のレイ(ジョナサン・リップニッキー)も彼になついてる。
互いを必要としながらもどこか臆病な彼らはある夜、ディナーの帰り、ついにキスを交わし、一夜を共にした。
一方、ロッドの契約交渉は決裂し、今シーズン限りで契約選手を辞めてフリー・エージェントになる決意を固めた。もしケガをすればそこで選手生命は終わりだ。
「リスクが大きい」と言うジェリーに、ロッドは「俺を信じろ、俺がおまえを信じるように」と言う。
ジェリーは収入を絶たれ、ドロシーを雇い続けることができなくなり、彼女は新しい仕事を求めてサンディエゴへ引っ越そうとする。決断を迫られた彼は、出発の直前、彼女に結婚を申し込んだ。
二人の結婚生活が始まったが、ドロシーは互いの喜びも悩みも分かち合っているロッドと妻のマーシー(レジーナ・キング)を見るにつけ、自分とジェリーの繋がりが頼りなく思えた。
一方、ジェリーに「ハートでプレイしろ」と言われて発奮したロッドは、生まれ変わったように目ざましい活躍を見せる。
プレーオフ出場がかかった大事な試合中に猛烈なタックルを受けたロッドは、倒れたまま動かなくなってしまう。
だが、意識を取り戻した彼は立ち上がり、観客の大声援を浴び、ヒーローになった。
試合後、マーシーからの電話に「愛してる」を連発するロッドを見ているうち、ジェリーはドロシーのことを思い浮かべ、彼女の元へ急ぐ。
ローレルを含む恒例の「離婚女性の会」が行われているところへ飛び込んだジェリーはドロシーに「僕らは完璧じゃなかった。君がいてこその僕なんだ」と言い、二人は固く抱き合った。
ロッドの契約も決まり、ジェリーとドロシー、レイは本当の家族になれた。
トム・クルーズが人生の挫折を乗り越える人間味ある役柄に初挑戦したヒューマンコメディ映画。

感想

仕事に流されていく現代、良心に従って行動することの難しさと尊さ、そして愛する人と支え合うことの大切さを謳い上げる爽やかなヒューマン・ドラマ。 
単なるサクセスストーリーではなく、家族愛や友情やラブストーリーでもあり、いくら成功したくても自分の良心や理想に正直でありたい、友情や家族の絆があってこそ本当の幸せがある、打算や利益を越えた生き方の貴さを教えてくれる、心が温かく頑張っていこうと励まされました。
トム・クルーズが理想家だけど寂しがり屋で弱さもあるスポーツ・エージェントを熱演、レニー・ゼルビガーが主人公を理解し献身的に支える仕事上のパートナーであり主人公の運命のパートナーになるヒロインのドロシーを初々しく真っ直ぐに演じ、口は悪いけど友情に厚く明るいフットボール選手ロッドや奥さんとの絆や、仕事を超えたジェリーとフットボール選手ロッドとの熱い友情やドロシーとの家族愛もあるし、良心や理想を貫く大切さと厳しさや絆の大切さを教えてくれる、私の心のバイブルな映画です。
ボニー・ハントが演じる妹を心配する辛口なお姉さんやジャズマニアの保父などのサブキャラクターも、印象的です。映画の中で登場するスポーツ・エージェントのディッキー・フォックスの名言も、素晴らしいです。
「君が僕を完全にしてくれる」

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