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ロザライン ロミオの元カノ目線で描かれるロミオとジュリエット

あらすじ

キャピュレット家の娘であるロザライン(ケイトリン・デヴァー)は、父から早く嫁ぎ先を決めるようにと急かされていた。
しかし、実はロザラインはすでに夢中になっている男性がいた。
その男性は、いつも夜にロザラインの部屋のバルコニーまでわざわざ会いに来てくれる。
ロマンチックな言葉を囁き、ロザラインは良い気分に浸る。
きっと自分はこの男性、ロミオ(カイル・アレン)と結婚するに違いない。
ところがライバルが現れる。その名はジュリエット(イザベラ・メルゼード)。
しかも、ロザラインの従姉妹で仲良しだった。
なんとかロミオをジュリエットから奪い返すべく、従兄弟のパリス(スペンサー・スティーブンソン)や見合い相手のダリオ(ショーン・ティール)を巻き込んでロザラインは奮闘するが、それはキャピレット家とモンタギュー家の争いにまで予想外に発展する。
「ロミオとジュリエット」をロミオの元カノ、ロザラインの目線から描くレベッカ・セレルのYA小説「あなたが私のものだった時」を元にしたラブコメディ映画。

感想

全体的に「ロミオとジュリエット」のパロディで、ダイバーシティとジェンダーフリーの視点から語り直している。
例えば、有名なバルコニーでロミオとジュリエットが愛を語らうシーンが、冒頭でもロミオとロザラインが愛を語らうシーンで先に登場し、ロザラインがロミオの芝居がかった口説き文句を「大袈裟😅」とツッコミ未来の話をしている時の「キミは育児と炊事」とジェンダーの役割を悪気なく押し付けるロミオの発言にモヤっとしたり、ロミオをジュリエットから引き離そうとしてロザラインがやることが裏目に出て、ロミオとジュリエットをかえって結び付けることになってしまう展開も笑えるけど、ロミオとジュリエットが親を偽り結ばれるために教会の霊廟で死んだふりをするクライマックスの大芝居いや茶番劇はロザラインを演じるケイトリン・デヴァーとロザラインに協力する乳母のジャネット(ミニー・ドライバー)のコミカルな大芝居もあって大爆笑の名シーンに仕上がっている。
ロミオをジュリエットから奪い返そうとするロザラインのキャラクターも、地図を描いて様々な国を巡って冒険したい夢を持ち、押し付けられる縁談を断るために狂っているふりをしたり、大胆な行動力を厭わない型破りな魅力が、ケイトリン・デヴァーにハマっていて、最初のうちはロミオを引き離そうとするけど結果的に手を貸すロザラインとジュリエットと乳母のジャネットのシスターフッド、衝突しながらも惹かれ合うロザラインとダリオのツンデレな「高慢と偏見」チックな恋模様もロマンチックで、「ロミオとジュリエット」のロマンチックさを新しく描いた痛快で楽しいラブコメディ映画。

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