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せやろがいおじさんが性犯罪の刑法改正について叫んでくれた件

 沖縄の海を背景に時事問題について叫ぶ芸人YouTuber・せやろがいおじさんが、刑法の性犯罪規定についての問題点を動画投稿しています。
性犯罪に関する刑法については、かねて被害当事者団体や支援者らが改正の必要を訴えてきました。でも法律の話って、なかなか興味関心を持たれづらいのが実情。特に「性犯罪」の話となると、暗くてタブーなイメージを持たれ敬遠されることもありました。いろいろなアプローチの一つとして、動画でキャッチーに、というのは良いなあと思います。せっかくなので、せやろがいおじさんの動画に寄せられている反応などを元に、まとめや補足などしてみたいと思います。
1907年に制定された性犯罪に関する刑法は2017年に改正されました。110年の間に小さな改正は何度かあったものの、大幅な改正は2017年が初めて。2017年の改正は「厳罰化」と報じられましたが、まだ積み残された論点が多いという訴えがあり、2020年6月4日法務省でさらなる改正検討が始まることになりました。
1、性犯罪の構成要件に「同意の有無」を加え、「暴力や脅迫要件」を外す
動画でせやろがいおじさんが説明しているように、性犯罪被害を起訴して有罪にするには「暴力や脅迫要件」という高いハードルがある。性犯罪の被害に遭っても、抵抗出来ないほどの激しい暴力や脅迫を受けたことが裁判員に認めてもらえないと加害者を有罪に出来ない。これは、「暴力や脅迫に屈する程度の貞操は、守るに値しない」という明治時代の男尊女卑的な価値観であり、性犯罪に遭っている時に被害者は恐怖で体が硬直して声を上げることも暴れて抵抗することも出来ない状態を考慮しない現実に即したものではないし、暴力や脅迫にあったことを被害者が証明しなければいけない負担、酒などに酔わせて襲う準強姦が「暴力や脅迫要件」のせいで加害者が逮捕されても不起訴処分になるケースが増えていることからも、改正すべきという声が強まっている。
2、現在の性的同意年齢13歳を引き上げる
カナダ、イギリス、フィンランドでは16歳、フランス、スウェーデンでは15歳、ドイツ、台湾では14歳、韓国は今年5月に16歳に引き上げられた。
児童福祉的見地からも、自分の意思で決められる年齢までの引き上げが、必要。
今回の性犯罪の刑法改正検討会のメンバーの過半数が女性であり、前回はなかった「被害者心理・被害者支援者枠」があり、より被害者心理に即した検討会が期待される。
「暴力や脅迫要件」「性的同意年齢の引き上げだけでなく、地位や関係性を利用した性暴力、配偶者間による性暴力、起訴状における被害者の氏名の取り扱い、時効などが、検討会で討議されている。
検討会で論点が出揃ったら、来年以降の審議会で決定したものが閣議で討議されて、法整備に移る。
これからの検討会などに注目していきたいが、動画の中でせやろがいおじさんが言っているように性犯罪は男女間で起きることから性犯罪被害の話題になると男女間の対立になりがちだが、これは性暴力や性犯罪と性犯罪を許さない者の戦いなので、性犯罪の被害者をバッシングしたり性犯罪の刑法改正に反対することは性犯罪者に加担することなので、性犯罪の刑法の問題を理解して周りに啓蒙したり情報を拡散したり一緒に考えていきたい。


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