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ビリーバーズ カルト宗教と欲望と人間の実存

あらすじ

とある孤島で生活をする二人の男と一人の女。「ニコニコ人生センター」という宗教 的な 団体に所属している3人は、「孤島のプログラム」 と呼ばれる無人島での共同生活を送り 、 安住の地へ行ける日に思いを馳せていた。
3人は本名を捨て、男の 1 人(磯村勇斗)は「オペレーター」、女(北村優衣)は「副議長」、もう 1 人の男(宇野祥平)は「議長」と名乗り、互いにそう呼び合っている。
笑顔を表す顔文字のようなものがプリントされた揃いの T シャツを着て、毎日決められた「プログラム」に従って、規則正しい生活を送っていた。
起床すると地面に腰を下ろし、それぞれの脚を伸ばし三角形を描くように足裏を合わせ瞑想。
その後、簡素な朝食を囲み、それぞれ昨晩に見た夢の内容を報告しあう。 
かと思えば、今度はお互い頭に浮かんだ記号を ホワイトボード に書き付け、そのイメージが通じ合っているかを確かめるテレパシーの実験のようなことを始め出す 。
メールで送られてくる不可解な指令を実行し、時折届けられる僅かな食料でギリギリの生活を送る。
それらすべてが、性欲や過度な食欲に物欲といった俗世の汚れを浄化し、「安住の地」へ出発するための修行なのだ。
だが、飢えとの戦い、突如現れた外界からの侵入者、ほんの僅かなほころびが、徐々に互いの本能と欲望を暴いていく。
カリスマ的人気を誇る漫画家・山本直樹が「カルト」的な宗教団体をモチーフに人間の欲望をあぶり出した20世紀末の問題作を、「アルプススタンドのはしの方」「愛なのに」で大ブレイク中の遅れてきた天才、城定秀夫監督の熱望により実写映画化。

感想

カルト宗教団体「ニコニコ人生センター」の信者3人が、孤島で「プログラム」に従い瞑想してお互いの夢を報告し合ったりなど修行する中で、徐々に議長のイジメられた過去とトラウマやオペレーターの同じ宗教団体に帰依していた母に対する葛藤や性の目覚めや副議長のドロドロな男関係が剥き出しになり、さらに孤島に遭難したパリピな若者グループと遭遇してある事件が起こったことで3人の互いに対する疑念や嫉妬や欲望が剥き出しになり関係性が崩壊していく、3人が不可解な修行に没頭する様をコミカルに描いたいわゆるクローズド・サークルものであり、「ミッドサマー」のようなカルトサスペンスでもある。
純粋ゆえに狂気に走っていくオペレーターを演じた磯村優斗や徐々に自分の妄想や欲望や妄想に溺れていく議長を演じた宇野祥平の鬼気迫る演技も良かったが、なんといっても2人を無意識のうちに誘惑し3人の関係を崩壊させるファムファタル的な存在の副議長役の北村優衣の幸せや喜びを貪欲に求める逞しい女性像を揺らぎや葛藤も含めて演じた体当たりの演技が、ぐいっと惹きつけられた。
日本映画離れした狂気的なクライマックスとじんわりくるオチも凄まじく、人間の根本を鋭く突いたヒューマンサスペンス映画。
「みんなの為に頑張りましょう」

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