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武士の一分 キムタクが、妻と誇りを守るサムライを熱演

あらすじ

東北の小藩、海坂藩に仕える三十石の下級武士・三村新之丞(木村拓哉)は、城下の木部道場で剣術を極め藩校では秀才と言われながらも、その務めは藩主の毒見役。不本意な仕事ではあったが、美しく気立てのいい妻の加世(檀れい)と慎ましくも幸せに暮らしていた。
ある日、新之丞は藩主の昼食に供されたつぶ貝の毒にあたって倒れる。激しい痛みに意識を失い高熱にうなされ続け、からくも一命はとりとめたものの新之丞は失明してしまう。
一時は絶望し、死すら考える新之丞だが、加世の献身的な支えもあり、死ぬのを思いとどまる。しかし、武士としての勤めを果たせなくなったため、今後の暮らし向きについては不安が募る一方だった。
親戚一同は会議を開き、加世は藩の有力者に家禄の半分でも据え置いてもらえるよう頼みに行けと命じられる。
そこで、加世とは嫁入り前から顔見知りだった上級武士の島田藤弥(坂東三津五郎)が、力になると加世に声をかける。
やがて城から、三村家の家名は存続し三十石の家禄もそのまま、という寛大な沙汰が下される。暗闇の世界にも慣れてきたある日、新之丞は加世と島田の不貞を知る。
島田は家禄を口実にして加世の身体を弄び、その後も脅迫めいた言辞を使って肉体関係を強要していたのだ。
自らの不甲斐なさのために妻を辱められ、怒りに震える新之丞は、加世に離縁を言いわたす。
そして、盲目の身体に鞭打つかのように剣術の稽古を始める。父の代から三村家に仕える徳平(笹野高史)と、剣の師匠・木部孫八郎(緒形拳)の協力を得て、新之丞の剣の勘は少しずつ戻ってくる。
かつての同僚から、島田が家禄の口添えなどまったくしていなかったことを告げられ、怒りが頂点に達した新之丞は島田に果し合いを申し込む。
死闘の末に新之丞は島田を倒し、戻ってきた加世と抱き合うのだった。
藤沢周平の同名小説を映画化。

感想など

木村拓哉が、ある事件がきっかけで盲目になり、上役に妻を弄ばれた復讐のために立ち上がる主人公を、盲人の目線など立ち居振る舞いや妻を弄ばれた上役との戦いに至るまで、抑え気味の演技で演じ切って新境地を開きました。主人公を献身的に尽くす妻を演じる檀れい、口の悪い中間を演じる笹野高史の演技も印象的です。木村拓哉と檀れいや笹野高史のユーモラスなやりとりも印象的です。

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