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はじめてのギャラは500円でした(14)


約束の日に引き合わせてもらった、Hちゃんの会社のディレクター氏は
見るからにIT系の、テクノロジー感溢れる男性でした。


んで。


ここで白状してしまいますが、打ち合わせの内容は、
ちっともさっぱり全然まったく、わかりませんでした。(すいません)

多分、わかったような顔して聞いてたと思うけど。(ほんと申し訳ない)

とにかく、最後に、
「で、Aikoさんはどれか得意なのある?
 データベース?ゲーム?ユーティリティ関連?」
と、聞かれて。

「ゲームとデータベースは、あまり・・」
と答えた。って、ことだけ。

データベースって聞いたことはあったけど、何のことかわからなかったし。

ゲームは、苦手! 下手!
インベーダーゲームもブロック崩しも、100円が5秒で消える!
ということを知っていたからなんですが。

だからってユーティリティ関連ならイケそうだと思ったわけでは、決して、なくて。
初めて聞いた言葉すぎて、意味もまったくイメージできなくて、単にそれで、音を再現できなかったんです。(だから、ごめんなさいってば!)


すると。

彼は何か納得した様子になって。(まあ、そりゃそうだわな)

デスクのMACで何か作業を始め、しばらくすると、
フロッピーディスクを3枚、こちらに押して寄越しました。


・・・・・???

「そこに入ってるから、お願いします。
 文字数も、中に一覧を入れました。」

(・・・・・何が入ってるんだろう?)


あ!!!

あの。えーっと
参考までに、過去の掲載誌って見せていただけますか?

「あ〜!そうですよね!失礼しました。
 えーっとね、このページがそうです」


足元の段ボール箱から、
メカメカしい写真が表紙に満載なムック本を1冊取り出し、
パラパラっとページを開くと、
彼は、さっと付箋を貼って、わたしにくれました。


「じゃ、お願いします! 
 わからないことがあったら、いつでも電話ください!
 僕、ほとんど24時間ここにいるんで!!」


きゃ~!! 大変ですね!
わかりました! がんばりまーす!!

・・・なんてね。

調子良く。
返事、したけどね。

内心、打ちのめされておりましたよ。

自分が何を引き受けたのか、まったくわからないまま
期日と文字数だけ決まってることを知ってる。という、状態。(ひどい)

こんな目に遭うのは。

生まれて初めてでした(多分、ディレクター氏も)

・・・・・・で、続く!


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