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迎えに、来て。

昨日の帰り道、

異様に強く輝く光が
不意に視界に入り、

その不自然さに目を奪われた。

一番星…?

飛行機…じゃない、よね??

じいっと見つめていると

微かに左右にブレているように見え、

やがてその光は

こちらへ向かって飛んで来ている
ようにも、見えた。

UFO?

連れてってくれるの?

揺れながら大きくなる光に
わたしも向かって歩いて行く。

うん、
もう充分に色々たくさん経験したよ。

想い残すことも、
未練もないから…

と足を進めながら

心を過ぎったことが
ひとつだけ。

大好きで大切で世界一愛している
存在。

嗚呼…
彼を遺して消えるのは
まだ刹那い…

唯一のわたしの執着。

そんな心を見透かしたように

光は不可思議なUFOから

何のことはない、
飛行機へと変わっていた。

遠く音もなく
飛んで過ぎ去ってしまった救いの手に、
後ろ髪を引かれつつ…

わたしは未だ、

生かされ続けてゆく。

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