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花咲線で行く厚岸日帰りの旅

私は「北海道旅行」が好きで定期的に訪れていますし頻繁に旅したいと思っていますが、子育て世代ということもありスケジュールの制約が強く、それでも旅には出たいということで「日帰り一人旅」を日々研究開発しています。

「北海道で日帰り?」と訝しむ人もいると思いますが、意外とそれなりに楽しめます。
例えば「網走に流氷を見に行きその日のうちに帰って来る」なんて事も現実的なスケジュールで可能です。無理すれば稚内に日帰り旅をする事も可能(羽田〜新千歳〜稚内、の往復。稚内滞在6時間)。
羽田空港の近くに住んでいる、という条件も必要ではありますが。

今回は、「花咲線(根室本線 釧路以東)に乗りたい」「ただし日帰りで」という条件を満たす旅程を色々考えた結果、「釧路〜厚岸往復」という現実的な着地点にたどり着きました。その旅路の内容を簡単にご紹介します。

羽田空港 - 釧路空港 7:40 - 9:15

まずは釧路に行かないとはじまらないので、朝イチの便で釧路まで訪れます。空港近いといっても1時間くらいかかる場所に住んでいるので5時起きです。

北海道上陸。たぶん大楽毛あたり
釧路空港

私が訪れたのは3月初旬の平日でしたが、飛行機はほぼ満席。冬の北海道を楽しみたい旅行客でいっぱいでした。

釧路空港 - 釧路駅 9:30 - 10:10

釧路空港 - 釧路駅

空港から釧路駅まではそこまで距離はないのですが、高速ではなく一般道を通ることになるので結構時間がかかります。(40分くらい)
とはいえ乗りたい花咲線の発車時刻には余裕があるので、のんびり釧路駅までたどり着きます。道中「大楽毛(おたのしけ)」という、楽しそうな街を通過してバスは走ります。

タンチョウ鶴が有名なので、バス車内にも折り鶴(折タンチョウ?)が飾られてました
釧路駅

花咲線の発車まで1時間くらいあります。まずは「和商市場」に訪れて腹ごしらえです。冬はカレイやつぶ貝が旬なのでその辺を多めに乗せてみました。

和商市場の勝手丼

釧路駅に訪れると人だかりができており、冬の風物詩である「SL冬の湿原号」が入線していました。轟音とともに巻き上げる噴煙は本当に迫力があり、ほぼ災害レベルの煙に構内は包まれていました。それにも負けずにカメラを抱えて写真を撮る鉄道好きの人たちは尊いと思います。

SL冬の湿原号
離れて写真撮ってた僕も顔が黒くなりました

私が今回乗るのはSLではなく、花咲線です。ということで、同じホームに入線していた1両編成の車両に乗り込みます。

花咲線 根室行

釧路駅 - 厚岸駅 11:12 - 11:58

釧路駅 - 厚岸駅

釧路から厚岸までの区間は、森というか原野が一面に広がっていて、ただひたすら茫漠とした枯れ木と雪の風景が車窓に流れ続けていきます。その風景にアクセントを加えるようにびっくりするくらいの大量の鹿🦌に遭遇するのも、花咲線の特徴。
写真や動画も撮ったつもりでしたが、うまく捉えられてなかったようです。肉眼であれば、それこそ数秒に1回くらいの頻度で鹿の走り回る姿を眺めることができると思います。

花咲線車窓

車内は平日だというの結構なにぎわいで、ボックス席は全部埋まっていました。私はロングシートのほうが好きなので問題なしです。
車両の型番とかは詳しくないですが、北海道の古い車両はロングシートの部分にちょうど良い物置スペースがあり、そこに荷物を置けるので私は好んで座っています。調子に乗って車内で赤ワインをラッパ飲みしつつ鮭とばをつまむという無頼な振る舞いをしてしまったことをお詫びします。(周りの人もビールとか飲んでたけど)

池田ワイン「山幸」
和商市場で購入した鮭とば。びっくりするくらい美味しかった

虚無な空間をくぐり抜け、門静駅を超えた辺りから海が見えてきます。もう少しで厚岸です。

厚岸周辺徘徊 11:58 - 14:20

厚岸駅

厚岸で降りるのは私くらいしかいませんでした。おそらく車中の皆さんは根室まで走破するのでしょう。
私は旅程の関係でいったん厚岸止まり。2時間ほど周辺を徘徊します。

厚岸といえば何と言っても「牡蠣」。
駅近くの道の駅「コンキリエ」に訪れるのも良いですが、私は以前車で訪問済みなので、今回は厚岸大橋近くにある「エーウロコ」という直売店まで歩いて訪れました。

厚岸駅 - エーウロコ
エーウロコ
みんなだいすき、うみえもん

エーウロコの中では様々な魚介類が販売されていますが、やはりお目当ては牡蠣🦪でしょう。
施設内では生簀の中にたくさんの新鮮な牡蠣が置かれており、イートインスペースもあるのでその場で食べることも可能です。係の人に「牡蠣の種類」と「サイズ」をお伝えして牡蠣をピックアップし、セルフサービスでレンジで温めていただきます。私は3種類の牡蠣(マルえもん、カキえもん、弁天かき)の一番大きいやつをそれぞれ購入しました。

購入した牡蠣を
レンジを使って温め
カキナイフでこじ開けて
こうなります

味付けは何もなし。新鮮な牡蠣をレンジで温めただけですが、プリプリな食感と自然な牡蠣の甘みに海水の塩味の具合がちょうどよく、「こんなに牡蠣って美味しいのか」と目を丸くしました。マルえもんだけに。
食材に力があれば、そのままの姿で最高の味わいになる。北海道の底力を感じます。
持参した赤ワイン「山幸」を煽りながら海の幸を満喫しました。無限に牡蠣を追加注文し、最終的に7枚くらいいただきました。

厚岸大橋
厚岸大橋から海を望む
単品 カツオのたたき
牡蠣最中

厚岸駅 - 茶内駅 14:20 - 14:40

これで折り返して釧路へ帰る、といくわけではなく、もう少し先に足を伸ばして茶内駅まで行きます。

厚岸駅 - 茶内駅

理由は、この時間だとちょうど根室駅からやってくる釧路行きとすれ違えるから、そしてこの区間の車窓から見える厚岸湖・別寒辺牛湿原の風景を眺めたいから、です。

根室から釧路までの区間は車では走破したことがあるのですが、この別寒辺牛湿原あたりは列車の線路しか走っていない区間も多く、花咲線に乗ったからこその車窓が味わえる区間だと思います。

ある意味今回の旅の一番の目的、雄大な自然の風景を無事堪能することができました。天候にも恵まれていて運が良かったです。
今回は冬の風景を狙いすまして楽しみに来ましたが、春や夏に訪れるのも良さそうですね。「花咲線」という名前通りの、豊かな自然の息吹を感じられると思います。

茶内駅 - 釧路駅 14:44 - 15:53

茶内駅では交換待ちの時間が4分間。時間帯によっては釧路行きの方が先に駅についている場合もあり乗り換え可能か不安ですが、この時間帯であれば余裕をもって折り返せます。
駅はもちろん無人駅ですが、私は今回は青春18きっぷで移動しているので乗り換えもスムーズです。

茶内駅
釧路行の列車が入線

釧路までは、ひたすら眠りこけながら快適な鉄道旅を過ごしました。

釧路駅 - 大楽毛駅 16:16 - 16:28

釧路にもたどり着き、飛行機の時間も迫ってくるのであとは空港に行くだけ、という感じですが、せっかくなので楽しそうな地名「大楽毛」まで足を伸ばしてみました。
釧路から大楽毛まではそこそこ列車の本数もあり、10分ちょっとでたどり着くことができます。、空港バスは大楽毛の街も通過し、大楽毛駅前からも乗車可能です。

釧路駅 - 大楽毛駅
大楽毛周辺の車窓
大楽毛駅

大楽毛のあたりは王子マテリアルを中心に数多くの工場が立ち並び、この辺の工業の中心、という雰囲気をもった街です。人口もそれなりに多そうです。
ただし大楽毛駅の前にはほぼお店はなし。コンビニとかは手前の新大楽毛駅のまわりの方が多そうです(新大楽毛駅の近くからも、空港バスには乗ることができます)。

日本釧路種 の銅像
駅構内に飾られていた絵画

観光ポイントとしては、大楽毛はかつて馬産が大変盛んだったようで、「釧路種」と呼ばれる品種の育成の一大拠点として栄えた場所だったようです。そのことを象徴する展示があちこちに点在しています。
かつては明治天皇もわざわざこの土地まで行幸されたということからも、当時の活況と、重要度が伝わってきます。

天皇陛下行幸記念碑

そんな感じでぶらぶらしつつ、日も暮れてきたのでさすがに帰りましょう、ということで、空港バスに乗って空港へと向かいました。

大楽毛駅 - 釧路空港 17:21 - 17:45

たんちょう釧路空港
シメはスパカツ

書き忘れてましたが、、この時期(3月)の釧路あたりの気温はマイナス10度〜20度くらい。自分としては防寒対策をして訪れたつもりでしたが全く効果がなく、冷凍庫の中に放り込まれているような感じで道中過ごしてました。北海道を舐めてはいけない。
冷えた体を温めるための恒例行事として、空港の食堂でスパカツをいただいて、この旅行のシメとさせていただきます。JAFの会員だとドリンクが無料でついてきます。

釧路空港 - 羽田空港 18:30 - 20:20

旅の疲れを癒やす、北海道限定 リボンナポリン

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