「いろり山賊」をご存知か?
「岩国って何かあるの?」
地方都市に対する心無い質問、あると思います。
そんな風に聞かれた時、こう応えましょう。
「Do you know "Irori"? (「いろり山賊」をご存知か?)」
山口県の最東端の自治体、隣は広島、岩国市。米軍基地などで有名な街ですが、街の中心岩国駅から車で30分ほど、県道15号をひた走った先に「いろり山賊」があります。
県道といっても山奥深い中を切り開くように通った道で、周りに商業施設も信号も何もないところを進むことになります。
「こんなところに本当にお店なんてあるの?」という疑問を微塵もなく振り払うかのように、突然ド派手な空間にたどり着きます。そこが、いろり山賊。
訪問は2月です。理由はよくわかりませんがそこかしこに季節外れの鯉のぼりが飾られ、嫌でも目につく提灯やら巨大な人形やらが雑然と自己主張してきます。
「山賊」と名前がある通り、山賊をテーマにしたお店だとは思うのですが、全体的に方向性はよくわかりません。ただ、お祭りでも行われているかのような派手な飾り付け、和風な建物、そしてこの山中にも関わらず大挙として多くの人が訪れていることが印象的です。
いろり山賊にはいくつか拠点がありますが、今回訪れたのは玖珂(くが)店。ここには3つのお店があり、どこの店舗も行列ができていました。
ちなみに私が訪れたのは平日の13時過ぎ。この時間でも駐車場はほぼ満車で停める場所がかろうじて2箇所だけ空いていた、みたいな状況でした。
噂には聞いてましたがすごい人気。休日とかに訪れたら入店するのも大変そう。という人気振りです。
「いろり山賊」を特徴づけているのが、この山賊料理。のようです。
古くよりの習わしとして、鶏の丸焼きである「山賊焼」とあわせて「おにぎり」と「うどん」を頼むのが縁起が良いとされているので、私もそれに従いました。ほぼ糖質しかない組み合わせ。
見た目がそれぞれインパクトがあるので、見てるだけでテンションが上がるのは確かです。
串に刺さった鶏肉をかぶりつく、なんて、なかなかできる体験でもないですし、微妙に山賊感も感じられるとてもエンターテイメント要素の高い体験だと思います。これだけでも訪れて良かったと心から思えます。
量も、三種の神器がそれぞれ一人前を遥かに凌駕する大きさなので、お腹も大変満足できます。
山賊焼の肉々しさ・しょっぱさを、おにぎりが中和し、うどんがお吸い物的な作用をするので、なんだかんだいってこの3つの組み合わせが絶妙な黄金比を構成しているのだな、とも感じます。
今回初訪問だった私は量の見積もりを誤り、あろうことか追加でヤマメを頼むという過失を冒しました。もう食えねーっての。
でもこのヤマメも、焼きたてで身も適度に油がのっていて柔らかくて、とても美味しかったです。見た目のインパクト、ネタだけでなく、普通にお店で出てくる料理は味も悪くないです。
これだけ食べても、お会計は2690円。ヤマメがなければ2000円を下回ります。昨今の物価高の中でもこの値段、本当にお得で、お店の人もとても丁寧で親切で、心から満足できる体験ができるお店だな、と思いました。
玖珂店には一応公共交通機関経由でも訪れられそうで、近くに岩徳線の「欽明路」という駅があり山道とはなりますがここから徒歩可能です。ただ岩徳線は本数が極めて少ないので、ご利用は計画的に。
私は今回は岩国駅からレンタカーで訪れました。
今回、そもそも岩国にはいつものように「日帰り一人旅」の途中で立ち寄りました。「いろり山賊」以外にもいくつか観光したというか謎の放浪をしましたが、その紹介はほどほどにして、この記事を終わりたいと思います。
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