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自由が丘の中心、「九品仏」に行ってきました

スイーツの聖地である自由が丘、おしゃれタウンの筆頭格ですが、昔の地名は「衾沼(ふすまぬま)」という名前で、沼地を埋め立てて作られた低湿地帯であることは有名です。
自由はあるかもしれないし無いかもしれないが、少なくとも丘はない街、名に偽りがある街、それが自由が丘。
名前に何一つ真実が含まれてない「東京ドイツ村(千葉県袖ケ浦市)」よりはマシです。

自由が丘の街の中心を走る大井町線と東横線が交差する駅が、自由が丘駅。こちらも昔の駅名は今と異なり、昔は「九品仏駅」と呼ばれていました。
今では大井町線の一駅隣に自由が丘駅とは別の「九品仏駅」が存在します。

いずれにせよ、「九品仏」という地名は、自由が丘周辺においてとても重要な位置を占めていることが伺えます。
実際のところ九品仏という地名が現存しているわけではなく、九品仏駅周辺にある「九品仏浄真寺」というお寺にちなんだ名前のようです。

ということで、この辺りの文化の中心である九品仏浄真寺に訪れてみました。浄真寺は九品仏駅を下車してすぐの場所にあります。

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九品仏の駅を降りて左手に曲がると、すぐ目の前に立派な参道があります。
自由が丘周辺は建物が乱立し道も狭い印象があるので、良い意味で大きく期待を裏切られます。

境内もとても広大で、豊かな緑に囲まれて多くのお堂が立ち並んでいます。

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本堂。この日も多くの人が参拝していました。

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本堂の前には唐突に二羽の白鳥の像が置かれています。由来はちょっと調べてもよくわからなかったのですが、参拝された方々はおみくじを白鳥に結ぶ、というのが習わしになっているようです。

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浄真寺が「九品仏」と呼ばれている理由は、仏教の「九品」信仰が関係しているようです。九品は、極楽浄土へたどり着くための道筋には9通りあり、それらは生前の功徳によりランクが分けられるのですよ、という教えのようです。

浄真寺内には上品堂/中品堂/下品堂の3堂があるのですが、上記の写真は上品堂です。仏像の上に「上品上生」という言葉がありますが、これが九品の種類の一つを表すようです。(品、生とも上中下のランクあり)

あまり難しいことは理解できてないですが、よく信心し深く往生を願う心を持つ人が最高ランクの「上品上生」、日々悪行を働き信心も持たない人が最低ランクの「下品下生」。
よりランクの高みにある人ほど、あの世へ往生した時に良いことがありますよ、ということのようです。

自分は、果たしてどのランクにたどり着けるのでしょうか。特定の信仰もなく信心もないため「上品」はありえないし、さりとて「下品」と言われるほどの悪行も行っていない。中の中、中の下、といった、何も当たり障りもない、特徴の無い人間扱いをされてしまうのだろうな、と思います。

平凡な人間は、宗教に帰依して救いを求めようとしても無慈悲にランク付けされ、かつ色よいランクにはならず、とかく世の中にはどの世界でも格差とは離れられない。
などということを、「住みたい街ランキング」上位常連の、カーストの上位に位置する街、自由が丘で、考えたりしました。

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浄真寺以外の九品仏の名物は、このドアカット。線路のホームが短く、5両編成のうち1両がホームからはみ出てしまうため、二子玉川寄りの1両はドアが開きません。
九品仏駅はかつて「タモリ倶楽部」でも「ハミ電」として取り上げられており、その筋にはとても有名な駅だと思います。

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踏切をまたぐ形ではみ出てしまうため、駅に入線するとこのような光景になります。この写真は駅を通過する電車ではなく、駅に停車中の写真です。

大井町線は、他にも「戸越公園駅」でもかつてはドアカットが行われており、一部界隈では聖地扱いされている路線でした。
今は踏切の位置を移動しホームを拡張することで戸越公園駅のドアカットは消滅し、九品仏駅は大井町線に残された唯一のドアカット駅、となっています。

アクセス

東急大井町線「九品仏駅」下車徒歩3分。自由が丘駅からも10分強歩けばたどり着けます。
九品仏駅へは品川から23分(JR大井町駅で東急大井町線に乗り換え)

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