芥川賞と直木賞と本屋大賞

 ここ数年、できる範囲でこの辺の候補作を読むなどして受賞予想をしたり(本屋大賞の場合は順位予想もしたり)しています。
(余談ですが、今年の本屋大賞は、個人的には宮島未奈さんの『成瀬は天下をとりにいく』にとってほしかったけど、とるとしたら、ここ数年の傾向からして塩田武士さんの『存在のすべてを』がとるだろうなと勝手に思っていたので、成瀬の受賞に心底びっくり&嬉しい気持ちになったものでした。)
 今年の直木賞に関しては、発売当時に読んでいた『ツミデミック』一穂ミチさんの小説が直木賞をとられました。(それ以外は未読だったので、まぁこれだけは読んであってよかったのかも…?🤔)
 個人的には、『光のとこにいてね』の方が胸にジワーっと沁みてくる感じで好きなのですが、『ツミデミック』の、ちくちく喉に刺さる魚の骨のような感じも結構好きです。
 大半がイヤミスって感じですが、心が和む作品もあります。
 この作品、窪美澄さんの『夜に星を放つ』を読んだ時に近いような読後感がありました。
 そんな風に言うとというと語弊がありますが、軽めのスナック菓子をちょこちょこつまむように読める短編集っていう共通点がそう思わせたのかな。
 こういう作品って、気軽に読書できていいですよね。途中で読み止めて、翌日に回したりもできる。
 芥川賞のお二人の内、朝比奈秋さんの作品は『私の盲端』がすごく好きです。オストメイトを使う人たちの心情や実情が非常にリアルに綴られていて、惹き込まれました。まだ今回の受賞作は読めていないのですが、これから先、今読んでいる(+積んでいる)本がある程度捌けたら読んでみたいなと思っています。
 なお、自分は朝比奈秋さんという作家名とこの『私の盲端』の作品の雰囲気、文体から、勝手に女性の作家さんだと誤解しておりました……! 受賞の写真で初めて男性とわかりびっくりしたという。
 もう一人の芥川賞受賞作家さん、松永k三蔵さんに関しては、恥ずかしながら今回のノミネートによってお名前を知ったような感じでした。我ながら読書の幅が狭いというか、が偏ってるなぁ…💦と、反省しきりです。
 昨日や一昨日に、芥川賞・直木賞の受賞作予想の記事を読んでいたのですが、ここで推された作品が受賞するのかなと気にしていました。
 でもまあやっぱり、読み手によって評価する作品は大きく分かれますよね。
 https://www.webdoku.jp/prize-prediction/akutagawa/20240715080000.html

 今日から受賞作は飛ぶように売れ、多くの人々に読まれていくんでしょうね。
(自分もその読者の中の一人です)
 候補作は発表日までは読まれても(受賞者予想をしたい人が多いから)、受賞作が決まってしまうと、読む人は減ってしまう印象があります。
 そういう意味でも、やっぱり受賞することが作家さんのモチベーションの一つになっているのだろうな、と想像できますね……。

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