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メキシコシティの旅(3) テオティワカン遺跡

(表紙写真: テオティワカン遺跡 2023年2月 筆者撮影)

さあ、この日は地下鉄を使って歩き回る日だ。郊外のテオティワカン遺跡に行くために早朝5時半に起床して、まだ暗闇の街を地下鉄の駅へと向かっていく。徒歩5分くらいで地下鉄8番線San Juan de Letran駅に着いたが、まだ駅の入り口が開いていない。40分以上待ってやっと中に入れたのだが、今度はGaribardi/Langunilla駅行きの電車がなかなか来ない。駅のホームにいるのは私を入れて3人だけ。一番奥に陣取ってずっと待っていると、10m以上離れたところにいた男が私の背後に回り込もうとしているではないか。背中を壁にひしとつけて視線でプレッシャーをかけると、退散して行った。油断ならない…そしてスリに失敗した男はふてくされて、ベンチでふんぞりがえっている…何だこいつら…

やがて電車が来るとGalibaldi/Langunilla行きに乗り込む。2駅先でB番線Buenabista行きに乗り換えGuerrero駅へ、次は3番線でIndios Verdes行き、その次は5番線でPolitechnico行きである。3回の乗り換えでAutobuses del Norteに到着した。メキシコシティのメトロは一度乗ってしまえば乗り捨て方式で、一度乗ってしまえばメトロ管轄の駅であれば料金はどこまで行っても一緒である。料金5ぺソ(35円程度)。

そういえばAutobusというのはトルコでもOtobüs(オトビュス)と言うな。外国では自動車ならぬ「自動バス」という呼び方があるわけだ。

Centro Norte(北ターミナル)駅は当地の主要バスターミナルであり、各地にバスが出ている模様。ターミナルに入った正面はフードコートのようになっていて、色々なチェーンの店が入っている。テオティワカン行きのバスは一番端っこの方から出ていた。バスが出発するとしばらくは平坦な丘陵の風景が続く。

1時間ほどするとテオティワカン遺跡が近づいてきた。Puerto1(1番ゲート)に着いてチケットを買って入場すると、死者の大通りが南方向に2kmに渡って伸び、そのすぐ正面にケツァルコルトルの神殿(蛇神殿)が平たく立っている。草っ原のような感じではあり、広場の真ん中には舞台のようなところもある。割と険しい石の階段を登ると神殿の裏側に下りることができる。この先にはもう一つ墳墓があり、その正面階段の両脇に立髪のライオンたちと、未来のロボットのような祭神があしらわれていて、ユニークな印象である。きっと後者のロボット君は大地の祭神が何かなのだろう。

さて、死者の大通りに戻り歩いていくのだが、この道が意外と単調かつ遺跡の部分に入ると足元がボコボコしているので歩きにくい。日差しも強いのに加えて、歩き始めたばかりだと人もほとんどおらず、アクセサリー売りの地元のおじさんが近づいてくるくらいである。1Lペットボトルの水が減ってきて、不安になってきた。

さて死者の大通りを歩いていくとやがて右側に太陽のピラミッド(高さ65m)、正面に月のピラミッド(高さ42m)が見えてくる。この辺りまで来ると大分観光客が増えてくるのだが、酸素濃度不足、水分不足、疲労で大通りを歩くので精一杯である。昨日標高2,000m超のメキシコシティ市内で20km以上歩いたので、足が膨れてしまい、平地を歩くのがやっとである。月のピラミッドの近くまで来たが、取りあえず水を買いたい..この近くには土産物店があるので、ここでやっと水にありつけた。ピラミッドを上る元気はなく、脇のケツァルパパロトルの宮殿というところの壁画だけ見て退散することにした。この辺りに壁画博物館があるはずだが…今回は諦めて、月のピラミッド横のPuerto 3(第3ゲート)からメキシコシティー行きのバスに乗り込む。(壁画博物館はPuerto 3の更に外側にあったらしい…スペイン語分からないと細かい対応したい時にやっぱりつらい…)

ケツァルコルトルの神殿の彫刻たち



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