初めての音楽ライブ体験SAKANAQUARIUM2024"TURN"

サカナクションの音楽は常温の水のような感じだと思っています。音楽について皆目詳しくなく、サカナクション以外の音楽をあまり聴かないため単なる感覚に過ぎないのですが、いつ、どんな曲をどんな気分のときに聴いても心地良く体に馴染む。

サカナクションとの出会いは中学3年生、2015年に発売された『新宝島』。この曲から友人たちとサカナクションブームがおこり、遊ぶときにはいつもサカナクションの音楽をかけていました。

それから学校へ登校するときも、1人でゲームをするときも、寝るときにもサカナクションの音楽をかけ続け、ついに念願のライブに行くことができました。

幕張2daysと大阪城ホールの2日目。正直、常に「流して」聴いていたものですから、「踊る」というのはどうも性に合わず、幕張の2日間は周りとの温度差で素直に楽しめませんでした。本格的な音楽ライブに参加するのが初めてだったというのも大きな理由だとは思いますが。

しかし先日の大阪城ホールでのライブはとても楽しかったです。相変わらず踊り狂っている人や大声で歌う人たちとの温度差はありましたが、その様々な反応を示す観客も含めてサカナクションのライブなんだと少し俯瞰的な感覚となり、それからはステージだけでなく周りの人たちも見ていました。

するとどこか浮遊感に包まれました。全員が同じ空間で見て聴いている。それを眺める。そんな自分を誰も気にしていない。一体感と孤独の同居。全体と部分が綯い交じになる。矛盾を受け入れてくれる。サカナクションの楽曲のようだ。

その感覚の中で見上げる光の演出や天井に照射され幾何学的な模様をつくるレーザーは果てしなく美しく、直前で鑑賞していた映画『オッペンハイマー』でオッペンハイマーが幻視する原子の映像のようでもあり、この世の真理を見た気にすらなりました(なってません盛りました)。

そんなライブでの個人的最高潮は『流線』から『ナイロンの糸』『ネプトゥーヌス』の流れ。散々盛りに盛り上がらせ『ユリイカ』を挟んでダウナーな世界に潜る。

高まった熱気を冷ましていく音楽はさながら、寝静まるプール後の教室に吹きつける初夏の風のようで気持ちが良かった。この海にずっといたかった。

というわけで初めてのサカナクションライブ感想でした。以下は現状記録としてこの1年間でよく聴いた10曲(順不同)を書いておきます。

『ナイトフィッシングイズグッド』
『シーラカンスと僕』
『ミュージック』
『セプテンバー -東京 version-』
『ネプトゥーヌス』
『アルクアラウンド』
『フクロウ』
『さよならはエモーション』
『フレンドリー』
『moon』

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