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デモクラTV『本会議』第338回 2019/9/28 司会者メモ

【出演者】
北丸雄二(ジャーナリスト)
水野誠一(株式会社IMA代表取締役、元西武百貨店社長、元参議院議員)
田中信一郎(千葉商科大学准教授)
司会:川崎隆章(放送研究家)

★以下は、この日の番組出演者の意見を総合的にまとめたもので、個々の論客のご意見は番組をご覧になってご確認ください。
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【消費税】
●今回の消費税増税は複雑すぎる。軽減税率にポイント還元を加えると『10% 8% 5% 3%』の四段階にもなる。同じものを買うのにこんなに複雑になる国はない。
●生活必需品の対象となる種別には基準はなく、実際は業界団体からの圧力で決まった。何が必需品かは、人によって違う。税の公平性からいえば明らかに違反行為。
●消費税が2%上がると、物価も自動的に2%あがる。要は『アベノミクスの目標』の一つである物価上昇2%が、これで達成されるという建前(実際には消費落ち込みで達成は難しいが)。

【日米貿易協議】
●日米貿易協議で日本の首相はトランプの支持層が喜ぶような点を大きく譲った。トランプに貸しを作ったつもりでいる。しかし、トランプ及び共和党が政権を取り続ける保証はない。民主党に転ずれば日本政府は報復の対象となる。
●日本のマスメディアはあまり重視していないが、トランプのウクライナ疑惑はロシア疑惑と並ぶ大不祥事。弾劾が行われればトランプは失脚する。それを見て、中国をはじめ、世界中がアメリカと距離を置き始めている。日本政府だけがさかんにご機嫌伺いをしている。

【気候温暖化】
●グレタさんの国連演説のあとSNSで『彼女はアスペルガーだ』『背後にいる連中に言わされている』などという発言が相次いだが、その発言者に、本来ならばそんなことをすると思えないような学者・研究者が多数含まれているのがショッキングだ。これは、グレタさんの発言が核心をついた内容であったことを意味する。自分の関わる事業や研究に水を刺されたことでパニックを起こしている。
●グレタさんの行動や環境認識はヨーロッパでは賛同者が多く、政治にも反映されている事が多い。アメリカやアジアは、大きく遅れている。

●小泉進次郎氏の「気候変動のような大きな問題は楽しく、かっこ良く、セクシーであるべきだ」という発言について『セクシー』という言葉の使い方が日本国内から攻撃されているが、これは、隣に同席していた女性の言葉を受けたものであり、かつ日本語の性的な意味ではなく『魅力的な、関心をひくような』意味として英語では普通に使われる表現だから、それを小泉氏が自らの考えとして引用するには問題ない。
●しかし、一番問題なのは、地球的に『崖っぷち』である温暖化問題をセクシーに、すなわち『関心を集めるために、面白く、楽しくやれば』うまく解決できる、というバブル期のような能天気な発想で取り組もうとしている、小泉進次郎氏の政治家としてのレベルの低さであり、そこが最大の問題だ。

【スリーマイル島原発】
●スリーマイル島に一基だけ残された原発が40年経ってようやく運転停止となったが、アメリカはカリフォルニア州など、環太平洋地域の原発は、来たるべき大地震に備えて既に停止している。日本だけが運良く地震を免れることなど、ない。

【表現の不自由展】
●愛知トリエンナーレの『表現の不自由展』は、トリエンナーレ全体の1割にも満たないものだが、それをテコにトリエンナーレ全体への助成を打ち切るというのは、不合理であり、見せしめのいじめに他ならない。
●文化庁の展覧会助成は今まで、例外なく『内定』を以って決定としており、それから内容が決まる事が普通であった。もし、今回のように、内容で助成が判断される前例ができたら、全国の自治体は大混乱になる。
●文化庁が改善点として要求している内容も『炎上などしないように手を打つ』『電話による抗議が来ないようにする』などいい加減な内容が多い。
●そもそもこの『企画展』は、個々の作品に関する『作品展』ではなく、今までさまざまな理由で中止させられた展覧会などを『総攬して、考える』ことが主題だから、個々の内容についてあれこれ言うのは次元の違う話。日本には政治家・文化人でさえ、そういった常識を知らないレベルの低い人間が多すぎる。
●今回、愛知県が『表現の不自由』展を中止したのは、抗議に反応してではなく、脅迫に反応して安全のために行ったもの。文化庁の認識は間違っており、かつ、結果として脅迫した人間をサポートする結果となっている。
●自治体が芸術展を開催するとき、その目的は『地域の振興』とされるが、それは芸術の本質とは本来相容れない。こういった『表現をめぐる社会の圧力』に関して沈められていたものを掘り起こし、日本と世界に大きくアピールできたという点では、この企画展は、目的を果たしたといえる。これを、どう評価するか、だ。
●なお、今まで、中止になったにもかかわらず、内定していたために十数億円の助成金が支払われた例が過去にあったことも報告された。

以上は、この日の番組出演者の意見を総合的にまとめたもので、個々の論客のご意見は番組をご覧になってご確認ください。
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これは、二時間番組のごく一部です。ぜひ、デモクラTVでご覧下さい。

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