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ラジオで聞くアーチスト(1) 庄司紗千(山形)

●この夏から考えあって、全国のラジオ番組を片っ端から聴いているのだが、各地のローカルアーチストの番組が面白くて、集めて回っている。
●県域局でレギュラーを持つくらいだから、アーマチュアでは無理なわけで、それぞれに『ラジオ番組を持てる資格』がある。よくいるのは、東京で音楽活動をしてUターンしてきた、または東京と故郷を行ったり来たりしながら音楽活動をしている30代くらいのミュージシャンなのだが、これが今、圧倒的に面白い。
●ほとんどJ Popには関心はないのだが、こういった『地方でラジオ番組を持てるくらいのレベルの活動をしているアーチスト』の作品にはたいへん興味がある。つまり、番組枠を買うくらいのスポンサーが付く、とか、放送局が番組に起用する、とかのレベルだ。


●庄司紗千というアーチストの『ハッピーストライド』という曲は、少なくとも関東では知られていない曲だと思うが、山形県ではほぼ毎日演奏されている大変有名な曲だそうだ。CMやテレビ番組のテーマにも使われ、しかも、彼女はラジオでは月〜金で毎日出演して、夕方、スタジオで生ピアノを弾きながら歌ったり喋ったりしている。実際、いい曲を書いたり歌ったりする洒落たアーチストで、彼女の番組『夕暮れチョコレート(YBCラジオ 月〜金17:15)を見つけた時は、地方に素晴らしい街ケーキ屋を見つけたような嬉しいめっけものだった。『ローカルだ』なんて全くバカにできない。いや、たまたま見つけたのがローカル番組で、アーチストがローカル志向かどうかは自身の戦略上の問題だから、あまり安直にローカルアーチストと呼んではいけないな、と、思ったのだ。


●そんな『程よくリラックスして、程よい緊張感のある環境』で書かれた曲だから、流行に弄ばれる感じもなく、私みたいなクラシック音楽ばかり聴いてきた人間にも『ステキだな』と思わせる魅力がある。
●このクラスの魅力と力を持った『ラジオアーチスト』が全国には沢山いて、これを並べて聴いたら面白いだろうなぁ、と思っている。東京発のラジオから流れる音楽は、今のわたしには(必死の努力は尊敬するが)なんだか落ち着かない。そんなに感覚を研ぎ澄ましてどうする。トンガリも過ぎれば野暮のうちじゃないか。聞いていて尻が落ち着かないのだ。

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