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台風19号の報道について

さて、10月11日金曜日から三日間、木更津で台風を待ち受けながら『被災地(になるかもしれない)の町』に身を置いて、実際に行われる災害放送が、どう役立ち、どう感じられるか、チェックしてみました。

三日間、NHKに加え、在京のNTV TBS CX EX TX MXに横浜のTVK 千葉のCTCを連続的にチェック。ラジオもKR LF RF AFN 地元のコミュニティ局をチェック。非常に良い取材となりました。

今回は特に、週の頭まで風中心の報道だったのが、気象庁が『狩野川台風に匹敵する』と表現したとたん、雨に関する情報が中心となり、さらに、上陸前から水害に関する警告が頻繁に行われました。

そして、12日18時頃を境に、事態はいきなり巨大化します。台風上陸という一つのニュースに見えて、実は

●台風自体の進路と規模と範囲情報
●水害に関する警報、警告
●ダム放水に関する警報
●広域の交通インフラ情報
●広域の停電、断水情報
●大雨、暴風報道
●洪水、氾濫報道
●風害、竜巻報道
●避難情報
●避難アドバイス
●各地の避難現況
●地震情報

これだけのものを、同時並行にライブで放送しなければならなかったのです。また、台風があまりにデカかったので、台風報道の体制を何班も用意しなければならない、つまり、四つや五つ(森田さんに言わせれば15号台風九つ)分の台風を並行で伝えなければならなかったのです。

ゆえに、首都圏の広域局は、徐々に『被災地になりそうな場所を置き去りにする』放送になりました。つまり、あちこち手が回らなくなって、放送に取り上げられないエリアが不満を感じ始めたのです。仕方ないですが。

この点をクリアしていたのは、県域のみを対象とするCTC(千葉テレビ)やTVK(テレビ神奈川)でした。特にCTCは千葉県内に絞って特番を組んだため、全放送時間は多くはないのですが、大変わかりやすく、現地の住民が関心を持つ内容でした。

一方、NHKと広域局は、次々と飛び込んでくる、内容も性質も異なる臨時ニュースや現地レポートに追われて、ややパニックになっていました。被災地では、あまり見たいとおもうな具体性は感じられませんでした。

一番余計だったのは、気象庁の『狩野川台風』を受けて、各局が繰り返し当時の映像を放送したことです。これは、被災地や、被災予告地にはなかなか残酷な『悲劇の予告』。猛烈な雨や風が吹きつけ始めたらやめるべきでした。

最後に、日本共産党が、視覚障害者の要望を引き受けて、各局にかけあい、テレビから『ご覧のように』という言葉を使わないように要請した、ということ。ほぼ実施されたそうです。

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