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18歳

文章書くのが好きで、ふとした時によくメモに文を書き留める事があるけど、どうしても人に見せるとなると、どこか恥ずかしくて、でも誰かに伝えたくて、もどかしかった。

この文も、今年18歳になった時にふと書いた文章。
少しだけ恥ずかしいけど記念に。

⤵︎ ︎

今年で18になった。


世の中ではもう「成人」という括りらしい。もちろん成人なのだから立派な大人なのだ。

かと言って、自分からしたら’’大人になりかけな子供’’程度の存在なのだ。


大森靖子の「子供じゃないもん17」を聴いて自分と重ねてみる。


17歳の頃は早く18歳という
正式的な「大人」という証明が欲しくて
堪らなかった。

周りの成人済みの人間がとても羨ましかった。
そのためには「18」という、数字が必要だった。


どこにそんな魅力を感じていたのかは分からないが、自分は「大人」という響きに凄く憧れを持っていて強く惹かれていたのだ。


大人 になったらどうなるのだろう。

どう自分が変わるのだろうか。

世界はどう視えるのだろうか。



そんな期待を持っていた自分だが、
実際に18になると、何も変わらないままである。


未だに「子供じゃないもん17」を聴くし、
幼稚な下ネタで大笑いできる、
怖いテレビを見たらドキドキしながら朝が来るまでベッドに潜り込むし、朝寝坊だってしてしまう。
親と喧嘩もする。


少し大人になった所と言えば貯金を意識し始めた所くらいだろう。本当にそのくらいまだ未熟なのだ。

14歳の自分から見た高校生は大人びていて、自分より何倍も輝いて見えた。

でもどうだろう。


実際に自分がなってみるとあの頃と変わらないのである。

あの時の、プールの授業を嫌々受けていた頃。

友人とショッピングモールに出かけて背伸びして
父から貰ったお小遣いで散財をしていたあの頃。


あの頃の14歳と全く変わらないのである。

もちろん背は伸びたし、今ではアルバイトで稼いだお金でやりくりをしている。

だが、自分が魅力を感じていた、大人びている高校一年生は自分の中には無かった。


今年で高校三年生になる。


今の自分から見た高校一年生はとても幼く、そして幼稚に感じてしまう。

それは自分自身が高校一年生の時も、そして今も自分自身を大人と認識していないからだと思う。


「数字」に強く憧れを抱き、惹かれてしまうのは
何故だろうか。憧れていた高校生活も今年で最後である。

あの頃憧れていた16歳というブランド。
そしてついこの間まで憧れていた18歳という
「大人」への証明の役割を担っているこの数字。


所詮数字にしか過ぎないのだと思う。

もちろん世間的に見た18歳というのは成人として扱われ、選挙権も手に入り、キャッシュカードも作れるだろう。

だが、

お酒は飲んではいけない
タバコを吸ってはいけない
深夜のカラオケは入ってはいけない。

所詮周りの17歳の同級生と同じ括りなのである。
生活もそこまで変わらない。

私が強く憧れていた「18」という数字は大人と子供の狭間。


曖昧な数字なのだろう。

生きていくレールは「大人」のはずなのに、
17歳とさほど変わらない。

のにも関わらず、世間の概念だけが先走り唐突に社会へ放り出されてしまったような気がした。

グラデーションの無い虹のような、コントラストが強い。真っ直ぐな。

そんな厳しさを目の当たりにして、すごくやり場のない寂しさを感じた。

早く大人になりたいと思っていた自分はどこに行ってしまったのだろうか。

18歳になってしまった自分は、1つの自分の目標が終わってしまい、憧れも呆気なく散ってしまった。

もちろん「大人」という数字は手に入ったが、
大人という実感も、何も無い。

「何かが変わる」という1つの大きな憧れが失われたため、この先がとても不安なのである。

このまま数字だけが大きくなり、中身の成長を感じないまま生涯を送るのだろうか。

それとも、また自分の中で1つの憧れを持って、それに向かって期待を膨らませ生きていくのだろうか。


だが、この感情は自分だけでないだろう。

「大人」という響きに何故か憧れ、
自分の今の年齢を恨み、強く非難する。


今思えば、その「無駄」な感情が
自分自身を成長させているのだろうと思う。


年齢は、所詮数字であって数字が大きくても
人として「大人になる」とは全く関係ないのであろう。

その「無駄」な感情が人を動かし、強く憧れを抱き、それに向かって、考え、行動する。

何故大人になりたかったのか、大人とはなんなのか。


18歳になった私は、そこ答えは未だに分からない。これは幾つ歳を重ねてもたどり着けないのだと思う。

年齢だけ大人になってしまった私も、
数字という概念に囚われないで生きたい。


そして、

20歳になった時に見える景色と、
今、見えている景色を比べてみたい。

その時にはまた文章を書きたいとおもう。

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