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【乙武さんのボランティアリーダーを務めた僕が皆さんに最も伝えたいこと】


この50日間、SNSで僕と繋がってらっしゃる方には、乙武ひろただ情報を発信しまくってしまって、すみません。

街頭行ったら、ほんと、どの候補者よりもウケが良くて、いけるんじゃないかって思ったんですけどね。

乙武さん、組織票相手に手も足も出なかったですね。っても手足ないんすけどね。(ここ笑うとこです)

乙武ボランティアまじクッソ楽しかったです。
そしてめちゃくちゃ勉強になりました。

色んな学びがあるなかで、僕が今回一番皆さんにお伝えしたいのは、

【マイノリティ当事者と一緒にいることで見える世界がある】ってことです。

◯乙武さんと過ごしてみて

乙武さん、めっちゃテレビ出てるし、喋りうまいし、かっこいいし、いっつもニコニコしてるイメージだから、
「この人、社会的弱者の代表みたいな感じで話してるけど、ぶっちゃけ強者じゃない?」って結構思われてるんですよね。

そんで6年前、不倫報道があって、「やっぱり!」みたいな感じでボロクソに叩かれちゃったんすけど、

今回、一緒に過ごしてみると、乙武さんってまあ不便なんですよ。

・一人で改札出れない(障害者手帳見せてって言われるから)
・お風呂入れない
・トイレに行けないし、お尻拭けない。手が届かないから。俺拭きました😂
・演説中喉が渇いても一人で水筒のお茶が飲めない

乙武さん、弱音吐かなすぎて、手足のない健常者みたいなイメージなってるんですけど、

手足ないって無限にやばいんですよ。

乙武さん。僕も会うまでは、

「全然生活に困ってない人が、弱者の代表みたいな面して!不倫して!全然困ってないやんけ!」

みたいに思ってたんですけど、

実態は、【めちゃくちゃ生活に困ってる人が、超ポジティブに、弱音吐かずに頑張ってた】っていうことだったんですよ。

◯6年前の炎上について僕が思うこと

それにはじめて気が付いたのは、5年前。
乙武さんと初めて出会ったイベントでの質疑応答です。

「乙武さんはどうやってオナニーするんですか!」

僕はデリカシーのない人間なので、初めて会った乙武さんに無礼な質問をかましました。

「出来ません。10代の頃試したことはあったけど、結局出来なかったですね(笑)
性欲モンスターみたいな言われ方する事あるけど、射精に至った回数は世の男性と比べて圧倒的に少ないです。」

乙武さんはそう答えてくれました。それが初めての会話でした。

毎日5回オナニーをしていて、当時アダルト業界に就職しようとしていた僕にとって、

「一人で射精が出来ない」ということは想像を絶する苦痛でした。

だから僕ら健常者の価値観だけで判断するのともちょっと違うのかなとか思ってます。
肯定するわけじゃないですけど。
※これはあくまで個人的見解です。

◯乙武さんだけじゃない。マイノリティ当事者と関わって気づいたこと

乙武さんの他にも、乙武ボランティアに集まる方達には様々なマイノリティ当事者がいました。

LGBTQとか、車椅子の人とか、杖ついてる人とか、全身やけど負った人とか、いました。

様々な生きづらさを抱えていました。

同性婚なんて自分には関係ないことだと思ってました。

車いすでの生活がどれだけ大変か知りませんでした。

自分がいつか全身火傷になるなんて考えたこともなかったです。

僕は今まで無関心だったんだなって落ち込みました。

どうでもよかったんです。
当事者の声を聞いたことがなかったから。

でも一緒に過ごすと、

・この駅ってこんな奥まで行かないとエレベーターないんだ。
・このお店は多目的トイレないんだ。
・ここ階段だから車いすの人行けないや。
・このスピードで歩いたらあの人着いて来れないや。とか

色んな配慮が出来るようになったんです。

乙武ボランティアに参加して、そういった視野が広がりました。

◯社会不適合者の僕が活躍できたわけ

僕は皆さんご存知の通り、無職です。

社会不適合者だから。社会に出ると自分のことが嫌になっちゃうんです。

でも、乙武さんの周りでは100人以上のクセ強いメンバーをまとめるボランティアリーダーとして、バリバリの社会適合者になれたんですよ。

お互いの個性を尊重し、多様性を認め合える社会だったから。

乙武さんの周りには、
【お互いの個性を尊重し、多様性を認め合える社会】があったんです。

◯今回の参院選の敗因

今回の参院選、乙武さんが負けた理由って、たぶん有権者の皆さんが関心をもっていた問題が、経済や国防をどうするかだったからだと思うんです。

乙武さんが立候補した理由って、マイノリティに優しい社会の実現や、当事者の悲痛な声を国会に届けることなんですね。

政策アンケートには経済や国防や憲法改正についての質問はあるけど、マイノリティ当事者についての質問ってほとんどなかったんです。議題にすらあげてもらえなかった。

政治とマイノリティってほんとに相性が悪いんです。
だって、多数派が推した人が当選して、さらに多数決だから。

でも、その結果、社会の多数派から外れてしまった人たちが、生きづらくなって、
自殺するくらいなら、最後自分に冷たくした社会に仕返ししてやろうって現象が生まれてるんだと思います。

◯僕らは微力だけど、無力じゃない。

今回、乙武さんには32万票が集まりました。当選ラインには56万票が必要でした。

たしかに僕らは負けました。少数派でした。乙武さんを国会に送り出して、マイノリティの声を全国に届けることが出来ませんでした。

でも、僕らは決して無力じゃなかったんです。
こんなカオスな参院選で、東京選挙区から出て32万票も勝ち取ったんです。9位だったんです。あとちょっとだったんです。

生きづらさを抱える人たちのために社会に選択肢を増やそう。

みんながあきらめなくていい社会を作ろう。

そういう大きな信念を持った人を僕は国会へ送り出せなかったんです。

あとちょっとだったんです。

涙が出るほど悔しいです。乙武さんは「悔いはない」と言っていましたが、僕は「悔いばかり」です。

無所属の乙武さんという、素晴らしい政治家になるはずの候補者を僕は国会に送り出すことが出来なかったんです。

でも、僕らは、微力だけど、無力じゃないんですよ。

だから、投開票日の次の日、僕は帝京大学に行ってスピーチをしました。
乙武さんを国会に送り出せなかった分、微力かもしれないけど、学生の皆さんにも、マイノリティの社会問題に対して関心を持って欲しくて。
学生の皆さんは真剣な顔でスピーチを聞いてくれました。

◯これから僕がすべきこと

僕はこれからマイノリティの社会問題について何しようかまだ考えていません。
乙武さんが受かると思ってたから。

でも、乙武さんが受からなかったから、その分、僕らも微力を出し合って、

お互いの個性を尊重し、多様性を認め合える社会の輪を広げていきたいと思いました。

乙武さんがメディアの方々に「悔いはないです」と笑顔で答えていた時。

僕は悔しくてたまりませんでした。乙武さんは当選したらきっと涙を浮かべていたでしょう。僕も共に泣きたかったです。抱き合いたかったです。

もう二度とこんな悔しい思いはしたくないです。

次があるか分からないけど、僕は来たるその日のためにもっともっと成長します。

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