ショートショート 「誕生日」
その日の最初に「誕生日おめでとう」を言ってほしくて 結局 夜の2時過ぎまで彼と話していたので、端末の命が残り少ない。
朝は眠いし 母は夜勤で起こしてくれないから学校に遅刻しそうだったし
それで充電器を持ってくることを思いつかなかった。
なんかまだ頭がぼんやりする。
学校が終わってから充電器を取りに戻る時間もない。どうしよう。
「充電器持ってない?」
ほとんど目をつむりながら美和に訊いてみる。
美和は あっさり首を横に振りながらも
「ない。代わりにこれ。」
なにかを手に押し付け