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データマネジメント2022 その7 Zホールディングスにおけるデータマネジメントのアプローチ

データマネジメント2022 ~データを制するものがDXを制す!~

2022年3月10日(木)に年に一度の「JDMCカンファレンス データマネジメント2022 ~データを制するものがDXを制す!~」があり、視聴したのでレポートを書きます。

JDMCさんがアーカイブを公開してくれているので、見た順番にコツコツ書いていこうと思います。

開催概要は以下JDMCのデータマネージメント2022の公式サイトにて確認ください。
https://seminar-reg.jp/jdmc/dm2022/

データマネジメント セミナーレポート

データマネジメント関連のセミナーに興味ある人はこちらからどうぞ。

Zホールディングスにおける データマネジメントのアプローチ

ヤフーを中核とするZホールディングスグループは、2021年3月に「LINE」と経営統合。グループ会社であるアスクルやZOZO、SREホールディングスなどを含めた国内利用者数は、延べ3億人超にのぼる国内最大規模のインターネットサービス企業グループとなりました。この巨大なユーザーベースから日々生まれるデータは当社の競争力の源泉であり、効果的な活用のために日々、様々な試行錯誤を行っています。
他方で、データの活用にはユーザーとの同意や同意情報の管理、ロギング/センシング、蓄積や処理、データやナレッジの管理まで、利活用に至る以前の段階でも多くの重要なプロセスが存在します。本講演では、グループ・サービス間のシナジー効果を高めていくための地道なチャレンジについて紹介します。

データマネジメント2022より

発表者

Zホールディングス株式会社 GCDO室 室長 佐野 真規 氏

概要

ZHDの立ち位置とデータ戦略の方向性

ZHDは少し前にLINEと統合して、新制ZHDとなった。
ヤフーとLINEを有している国内No1のリーチを持っている企業となっている。ヤフーとLINEを中心に生活に欠かせない企業群を有している。

価値創造の中心はデータにあり、各サービスをデータを中心につなげることをして独自の経済圏を実現する。
全方位的にYIDでつながったユーザーのことをデータで理解してお客様に沿った価値を提供していくというのが戦略。

データ観点で見たZHDの強み
・圧倒的なユーザー数
・幅広い事業領域
・アジア各国におけるカスタマイズ力

データとAIの力を解き放つためのデータマネジメントが不可欠

グループ企業におけるデータマネジメント

データマネジメントされていない状態
データがあるようで、使えるデータがほとんどないという状態

データマネジメントされている状態
データフローの上流から下流まで整理され、利用コストが最適化されている状態

LINEのデータマネジメントについてはこの4象限を軸に行われている。
詳しくはこちらを参照ください

安全安心なデータ活用を提供するのがData Management室のミッション LINEの金融データをグループで横断的に使うには

ヤフーのデータマネジメントについて
2015年にデータの専門部門が設立、2017年に全社のCDDと各本部にDD(Data Director)の創設。2018年に各グループ企業にCDOの創設。

CDO/DDの創設により単体でのデータ活用ではなく、サービス横断のデータ利活用が可能になった。
DDはセントライズではなく、横のつながりで緩やかな最適化を促す。

ZHDのチャレンジ

理想的なグループ横断のデータマネジメントとは?
まだまだ試行錯誤の最中で答えは出ていない。

例えば企業が変われば個人情報の第三者提供が必要になってくる。第三者大提供さには同意が必要なので前提にモチベーションになるサービス設計が必要になってくる。
企業を跨ぐにあたって様々なリクワイアメントがあり、解決していかなければならない。

経営資源の変化として近年、ヒト・モノ・カネからヒト・データ・キカイへと言われているが、どちらの資源もヒトは必要で、競争の源泉となってくる。

ヒトという観点でグループ間のリレーションの強化と、ナレッジの共有を行っている。データという観点では、グループ横断のデータカタログを作成しようとしている。

ZHDのグループに存在する人材を生かすための土壌づくりを行っている
・ZHDのガバナンス態勢
・グループCDO体制の強化
・Z AI Academia
・Z Data Meetup β

目指すところは、日本一安心安全であり、データとAIの力をフル活用して便利なサービスを提供するグループとなること。
グループ各社が持つデータを連携して、使い合い、各社の事業的な強みを結合し、ユーザーに便利を届ける。
全ての土台として、ユーザーのプライバシーを最優先に考える。

感想

抽象的な話と言っていたが、まったくもってその通りで企業紹介みたいな内容だった。なぜそれを行っているのかという説明が一切なかったのが非常に残念。

LINEのデータ戦略とヤフーの組織については触れられていたが、データZHDとしてのデータ戦略も一切語られることなく、データマネジメントのアプローチも語られていないので、タイトルは「Zホールディングスにおけるデータガバナンス体制」とかのほうがいいのではと。

全体的にガバナンス態勢を構築したよという話が中心だったが、大企業病的な話で、ガバナンスファーストになっているのかなというのは感じた。
ただし、LINEの個人情報の件は何回か話題になっており、みずほ銀行のシステム障害のように過度に注目を集める状態になっているのでしょうがないのかもしれない。

おわりに

自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。

モチベーションのために役にたったという人はぜひ、フォロー&スキをお願いします。

ツイッターでもデータマネジメントに係る情報をつぶやいてますので、よろしくお願いします。

データマネジメントを学ぶ人が抑えておきたい本

DXを成功に導くデータマネジメント

DXを成し遂げるために必要なデータをどうマネジメントしていけばよいかが書かれている。
データ環境より、セキュリティの観点であったり、プライバシーの観点であったりといった非技術者向けの内容が多く書かれている。
データマネージメントに興味を持った人はまずは読んでみるとデータマネジメントでなすべき概要が理解できる。

実践的データ基盤への処方箋

データ利活用を行うために必要なデータ基盤の考え方と、利活用するためにはデータをどのようにマネジメントしていけば良いかを具体的な例を用いて説明されている。
技術が中心になるので現在データ技術に係る人がデータマネージメントに興味を持った時には、まず手に取ることをおすすめする。

個人データ戦略活用 ステップでわかる改正個人情報保護法実務ガイドブック

個人情報保護法を順守するための基本的な考え方が実務ベースで書かれている。2022年4月に施工される改正個人情報保護法で新たに追加される概念も同様に記載されている。
政府の出しているガイドラインよりも俯瞰的に読めるためデータプライバシーにかかわる人、データを使ったビジネスを推進する人は読んでおくとスムーズに業務が進められる。

データマネジメント知識体系ガイド(DMBOK)

自分も要約・解説記事を書いているDMBOK。データマネジメントに興味を持った人がまず手に取ると挫折することは間違いないほどのボリュームがある。
読めば読むほど味が出てくるので、データマネジメントを進めようとしている人は各家庭に1冊は是非買っておきたい。

データマネジメントが30分でわかる本

本の著者もDMBOKを読むためには非常にボリュームが多く読み解くには苦労するので、かみ砕いた解説書をまとめたと書いてある通り、DMBOKを独自解釈してわかりやすく書かれている。
DMBOKを技術者目線で読み解いた内容になっているので、実践的データ基盤への処方箋と同様データ技術に係る人におすすめする。

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