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[Diamond League Paris]Result

驚異の”世界記録”連発

Men 2miles…7'54"10/Jakob Ingebrigtsen(NOR)
[World Record]

DL Paris Men 2miles

〇通過タイム

400m…1'00" 800m…1'59" 1200m…2'59" 1600m…3'58"
2000m…4'57" 2400m…5'57" 2800m…6'55" 3200m…7'51"

1000m:2'29" 2000m:4'57"(2'28") 3000m:7'23"(2'26")

〇レース展開
序盤ペースメーカーのCampion(FRA)・Munguti(KEN)を先頭に一団となり、JakobS.Mcsweyn(AUS)・Kipkurui(KEN)と続く。1000mごろにはかなり縦長の集団となり、Mcsweynが遅れ始める。P.Chelimo(USA)も1600m時点で50mほど遅れる。
2000mでは既にペースメーカー(Munguti)とJakobの独走状態となり、記録との戦いへ。
ラスト2週になり、若干体のぶれが出始めるが、ブレであると同時に加速への起爆剤でもあるかのように徐々にペースを上げていく。苦悶の表情は浮かべない。
淡々と世界記録更新を成し遂げた。

以下レース後のフラッシュインタビュー

今は疲れを感じている。この記録を打ち立てられたことはとても素晴らしいことだと思うし、初めての屋外での世界最高記録になった。1500mのレースからのすれば、とてもスムーズに感じた。良いレースだったと思う。
観客の方々も素晴らしかった。彼らの応援なしにこの記録はさらに達成が難しかっただろう。
最終的に見た記録には少し驚いた。
自分の優先事項は1500mで、5000mは良い持久力のある選手の結果になる。

Paris_2023-ATH-------------------------------_FLASH_1.0.PDF (diamondleague.com)

まさに”驚愕”。
ペースメーカーが2200mまでいたとは言え、凄まじい記録となった。WAのScoring Tableに換算すると[1304 Points]に値し、以下の記録と同等になる。

800m:1'40"84 [WR:1'40"91]
1500m:3'25"91 [WR:3'26"00]
Mile:3'42"25 [WR:3'43"13]
3000m:7'20"00 [WR:7'20"67]
5000m:12'34"87 [WR:12'35"36]
10000m:26'12"48 [WR:26'11"00]

余計な説明はいらない。
間違いなく彼が世界歴代最高峰の選手だと証明されたレースとなった。
ブダペスト世陸で新たな歴史を築くだろう。

Men 3000mSC…7'52"11/Lamecha Girma(ETH)
[World Record]

DL Paris Men 3000mSC

〇通過タイム

400m…1'03" 800m…2'06" 1200m…3'08" 1600m…4'09"
2000m…5'12" 2400m…6'16" 2800m…7'19" 3000m…7'52"11

1000m:2'37" 2000m:5'12"(2'35") 3000m:7'52"(2'40")

〇レース展開
序盤ペースメーカーのK.Kipsang(KEN)とEl M.Aboujianah(ESP)が牽く。続いてGirma・8'06"29の自己記録を持つH.Amare(ETH)・PB:8'05"51のA.Kibiwot(KEN)。
Kipsangは1200mまで、素晴らしいイーブンペースで刻んでくれた。
(彼のPBは2019年に記録した8'11"26
現在29歳であるため、混戦甚だしいケニアの3000mSCの中ではもまれてしまうだろうが、彼示自身の活躍にも期待したい)
1400mごろでGirmaAboujianahの前に出る。
(個人的には3000mSCのペースメーカーは相当過酷だと思う。基本的にはただでさえ自己記録より速いペースであるのに、ハードルや水濠を越えながら後ろに着く選手に合わせたり、邪魔にならないようこなすのは尋常ではない)
2400m以降徐々にペースが落ちてしまうが、障害で足を取られたわけでもないため、単純にペース負荷によるものだと思う。そもそも単独走での3000mSCは障害に足を合わせやすい一方、競る相手がいないため極端なスピードアップが期待しづらいという側面もあるだろう。今季の7'台ランナーであるEL Bakkali(MOR)がいれば、(両者ともに)さらにタイムが狙えた気がする。

「とても嬉しいし、誇らしい。
レースのペースはとても速く感じたが、自信はあった。
世界記録に驚きはなく、このレースで確実に更新するつもりだった。意志の強さによる結果だと思う。
今はOstravaに3000mSCではなく、15000mに出場するつもりだ」

Paris_2023-ATH-------------------------------_FLASH_1.0.PDF (diamondleague.com)

WAのProfiles上での最初の記録が2018年の8'46"23。
それからたった5年で彼は世界記録を塗り替えた。
今後は障害だけでなく、フラットのレースでもタイトルを期待できる。

Women 5000m…14'05"20/Faith Kipyegon(KEN)
[World Record]

先日のDL Florenceでの[1500m:3'49"11]は間違いなく世界に激震を走らせた。それに引き続き、またもや世界を驚嘆させた。

400m…1'09" 800m…2'18" 1200m…3'27" 1600m…4'35"
2000m…5'42" 2400m…6'50" 2800m…7'58" 3200m…9'05"
3600m…10'14" 4000m…11'22" 4400m…12'30" 4800m…13'36"
5000m…14'05"

1000m:2'53" 2000m:5'42"(2'49") 3000m:8'32"(2'50") 4000m:11'22"(2'50") 5000m:14'05"(2'43")

前世界記録保持者のL.Gidey(ETH)とのマッチアップだったため、接戦必至が想定されていたが、着実に68"/400mのペースで刻み、ラスト400mは60"のスプリントを見せつけ圧巻の世界記録を打ち立てた。2着のGideyもパフォーマンス世界歴代3位の好記録で完走。
世界陸上の混戦模様がより一層強まった。

いざ世界…

Men 3000mSC…8'09"91/Ryuji Miura(JPN)
[National Record]

今大会、自分たち日本人にとって楽しみであったことは[三浦龍司]のDL挑戦であった。

2022 DL Stockholm 3000m:7'47"98
[日本歴代7位]
2022 DL  Lausanne 3000mSC 8'13"06
[パフォーマンス日本歴代4位]
2022 DL Zurich 3000mSC 8'12"65
[パフォーマンス日本歴代3位]

彼は今までDLに参加すれば、確実に成果を残していた。
確かに世界のトップとの差を考えてしまえば、「まだまだ」というコメントがあって然りだと思うが、間違いなく世界への距離は縮まっている。

今季はすでに3000m1本(7'58"61)/5000m2本(13'35"00/13'45"52)/3000mSC2本(8'19"07/8'21"41)に出場していた。3000mSCに関しては、WAの「A」カテゴリーに値する[SEIKO Golden Grand Prix]と「B」カテゴリーの[日本選手権]
を制し、勝負の場面を着々と乗り越え、一つ一つ勝利を手にしてきた。
「世界」を目指す彼にとって、全て必要なパーツだったのだろうか。

ここにきて[8'09"91]の日本新記録を叩き出した。
「0"01」の微々たる進歩かもしれないが、2021シーズンの東京五輪ぶりの一桁台。世界選手権への貴重なワンピースとなる。

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