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テレマン 歌劇「辛抱づよいソクラテス」(1721) その3

(承前)第二幕第一場変わらず家にいるソクラテスが家庭内から妬みを追放し平和こそを!ってアリア(No.2 アレグロ ニ長調 ドイツ語)。いったん和解したかの二人がまた険悪に、アミッタの「蝙蝠づら(Fledermausgesicht)」という悪口でヒートアップし「私は譲らないわ」のデュエット(No.5 イ長調 イタリア語)。二人を対等に扱うからとの約束でクサンティッペが退場、残ったアミッタのアリア(No.7 ロ長調 ドイツ語)。第二場ピトーがソクラテスを誹謗するパスキル(Pasquinade)を持って来てアミッタと憤慨してるがソクラテスは気にしない。第三場食事よとクサンティッペ、グラス片手にご機嫌のピトーの酒のアリア(No.10 アレグロ・アッサイ 変ロ長調 ドイツ語)。メロン食べすぎってアミッタとクサンティッペが大喧嘩を始めてクサンティッペに鉢や皿を投げつけられたソクラテス、二人の妻の奴隷と化した惨めな男を岩礁に挟まれた舟になぞらえたアリア(No.12 ヴィヴァーチェ ヘ長調 ドイツ語)。
 第四場ロディゼッテのアリア(No.13 ハ長調 ドイツ語)、リコーダーのオブリガート付き。エドローニカ登場、より明るいアリア(No.15 ヘ長調 イタリア語)、弦楽合奏を伴う。第五場アンティッポが登場しメリートがカリッサを第一の花嫁に選んだと告げて二人とも僕を見てよのアリア( No.17 アンダンテ ホ短調 ドイツ語)。ダメなら一人でもいいんだけどって余計な一言。第六場メリートと二人、「私に決めて下さいませ」とロディゼッテとエドローニカのデュエット(No.20 イ短調 ドイツ語)。すっかり迷ったメリートのアリア(No.22 ニ短調 ドイツ語)、二人に呪縛される=2本のオーボエの対位法的オブリガート。メリートは迷ったあげく(アリアNo.24 ドルチェ 変ロ長調 イタリア語)、第七場籤引きを提案するがニチーアが反対、ニチーアとアリストパネスのデュエット(No.26 ヴィヴァーチェ イ短調 ドイツ語)。第八場アリストパネスとソクラテスの弟子達の対決。後者のカノンによるカルテットとレシタティーヴォ(No.28 嬰ヘ短調 ドイツ語)、「泰山鳴動鼠一匹」
Die Berge gebären, was kommet heraus?
Nichts anderes als eine lächerliche Maus.
とからかわれ、アリストパネスのアリア「戦いだ戦いだ」ってアリア(No.29 アレグロ・アッサイ ニ長調 ドイツ語)、進軍ラッパ。
 第九場ソクラテスがクサンテッペをなだめる。アミッタとともにソクラテスに寄せるデュエット(No.31 ホ長調 イタリア語)。第十場祭の準備が始まる。ソクラテスに容姿をほめられたクサンティッペ、鏡に身を写しながら可憐なアリア(No.34 イ長調 イタリア語)。第十一場アミッタとその鏡の取り合いになりソクラテスはおんなじ鏡をあげるからとなだめる。第十二場ピトーが酒樽を転がしながら登場、ブーレ風の陽気なアリア(No.36 ヘ長調 ドイツ語)、ワインの試し飲みで幕(!) バレエ曲挿入あり。
 ソクラテスとテレマンの共通点はその悪妻伝説ですね。…続く

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