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ルネ・ヤーコプスのドイツオペラ 1:ラインハルト・カイザー(1674 - 1739) 「クロイソス」 (1710, 1730) その2

(承前)第一幕第二場宮殿の庭、メディアの王女エルミーラ(ソプラノ)のしみじみとしたアリア、中間部だけちょっと熱するけど。ペルシア王キュロスに祖国を滅ぼされクロイソスに匿われる身、啞であるクロイソスの王太子アティス(テノール)と恋仲で、侍女トリゲスタ(ソプラノ)がそれをからかう(コメディエンヌ)。第三場貴族オルザネス(バス)のアリアで愛を唄うがエルミーラにあしらわれる。第四場アティスの執事ハリマキュス(カウンターテノール)が加わりアリアで〆る。第五場アティスとその小姓ネリルス(ソプラノ)が現れエルミーラの技巧的なアリア、第六場エルミーラの愛の言葉に身振りでしか答えられないアティスを代弁してのネリルスのアリア(イ長調は熱烈な愛の象徴だそうな)。第七場アティスの下僕エルツィウス(テノールでコメディアン)が王がお呼びですと、去り際エルミーラとネリルス(!)のデュエット。残ったエルツィウスとネリルスのコミカルなやり取り、エルツィウスは時にハンブルク方言になるんだそうな。
 第八場もう一人の貴族エリアテス(テノール)とオルザネスのデュエット、第九場リュディアの王女クレリダ(ソプラノ)とエルミーラのデュエットから四重唱(カルテット)、四角関係です。エリアテスが好きなクレリダが好きなオルザネスが好きなエルミーラはアティスと相思相愛、あ五角か?わからん。第十場アティスに語りかけるエルミーラのアリア(有節形式でイ長調!)、エルツィウスの茶々が挟まれる。アティスとエルミーラ退場、第十一場はエルツィウスのレシタティーヴォとアリア、酔っ払い万歳ってワインを讃える。
 さて第十二場宮殿の部屋でクロイソス、オルザネス、エリアテス、ペルシア王キュロスの動向を探ると第十三場ハリマキュスが闇にまぎれ近くに迫っている事を報告、クロイソスはエリアテスを摂政にと王笏を託し戦場に向かう。第十四場残ったオルザレスがエリアテスへの嫉妬と野心を口にし、近寄るクレリダにはつれなくする。クレリダのアリア(イ長調)、ルネ・ヤーコプスはロココ調の装飾的ダ・カーポアリアの傑作と評価してます。第十五場エルツィウス登場、戦争を茶化すアリア、道化師のバレエ。第十六場キュロス(バリトン)のアリア、キュロスとクロイソスがそれぞれ自軍を鼓舞し戦闘開始、ペルシアの優勢は明らかでペルシア軍のバレエに続く。ここでバレエとは…第十七場敗走するクロイソスとアティスとハリマキュス、ペルシア兵士に襲われるクロイソスを見て思わずやめろその人は国王だと声を上げるアティス、クロイソスは捕虜として連れ去られ残される二人。第十八場勝利のファンファーレ(リトルネッロの標記)、キュロスの勝利のアリア、クロイソスが手枷足枷の姿で引き出されキュロスが揶揄し、クロイソスは王を王として扱えと応じる。幕
 盛り沢山過ぎて何が本筋だったか、いやそんな事どうでもよくなって多彩な音楽の変化を楽しんでればいいって気になって来ます。...続く

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