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シリーズ“le roi” その6 Le Roi David(ダヴィデ王)(1921)

 これはオペラではなく、劇伴奏音楽で好評だったことから筋書きを男声朗読で進めながら音楽を通せるようにして更にオリジナルの小編成を通常オーケストラに拡大した作品です。混成合唱にソプラノ、アルト、テノール独唱とともに旧約聖書のダヴィデ王の物語をスピーディにたどる。一曲一曲は短いものが多く飽きさせません。オネゲルの出世作って事になってるみたい。女声朗読の「火刑台のジャンヌ」と対になってるかも。
 オネゲル自作自演でジャニーヌ・ミショー独唱なんてのも残されているんですが、わたしの偏った好みでいうと、オリジナルの小編成がむしろ明確な響きで好ましく、とくにミシェル・ピクマルのnaxos録音(1997年)、ナレーターもいい感じで、ストラヴィンスキー「兵士の物語」とも通じる魅力。ただなんと言っても終曲のアレルヤ、天使の合唱が美しく涙が出てしまう。


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