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木の十字架少年合唱団

 プーランクが「悔悟節のための4つのモテット」(1938-9)作曲のきっかけとしてミヨーの「二つの都市」「平和のカンタータ」初演に立ち会ったことを挙げていました。この2タイトルをspotifyで検索したら、両者に共通してヒットしたのがEnsemble Vocal Stéphane CaillatとLes Petits Chanteurs à la Croix de Bois でした。
 前者Stéphane Caillatのアルバムは1962年録音、なんとプーランク「悔悟節のための4つのモテット」、「パドヴァの聖アントニオの讃歌」にミヨーの「二つの都市」、「平和のカンタータ」がカップリングのレコードです。ソプラノパートは児童合唱? プーランクも含め味わい深いいい演奏だと感じました。
 後者は日本でも木の十字架少年合唱団の名で知られています。ミヨーの自伝「幸福だった私の一生」で触れられており、「二つの都市」「平和のカンタータ」の二曲は彼らのために作曲され、初演されました。
 そしてプーランクの「悔悟節のための4つのモテット」も実は彼らが初演でした。ウィキには“クロワ・ドゥ・ボワ少年合唱団により初演“なんて書いてあるのでぼんやりしていると気づかない。この曲でもプーランクには児童合唱のイメージがあったと考えて良さそうです。
 繋がってましたね。ミヨーの二曲は大変な労作で、入念な対位法的部分などプーランクにはない良さがある(元々プーランクにはそれを求めてませんので)。ミヨーのinstrumental曲では延々と多調的なメロディが続く場合があって、ワーグナーとは別の無限旋律状態に辟易することが正直多いのですが、このアカペラ合唱では全く感じない。曲たちが作られた時代やクローデルの詩に関してもっと掘り下げたいですが力及ばず今日はここまで。

二つ目は「二つの都市」第二曲“エレジー”だけですが、ソロもお上手で素敵です。

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