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クルト・ヴァイル (1900/3/2 - 1950/4/3) 歌付きバレエ「七つの大罪」(1933)

 フランスに亡命しパリに身を寄せていたクルト・ヴァイルとブレヒトとの最後の共同作品。主人公ルイジアナ出身で野心家の田舎娘アンナが2人一役(ソプラノと踊り手)、家族役がテノール二人とバリトン、バス(母親!)の男性四重唱。プロローグ(ルイジアナ) - 「怠惰」(ルイジアナ、家族のアンナに対する愚痴 - 「高慢」(メンフィスのキャバレー・ダンサー) - 「激怒」(ロサンゼルス、ダンサーとしての野心) - 「飽食」(フィラデルフィア、ソロ・ダンサーに昇格、ドイツプロテスタントの宗教音楽のパロディ) - 「姦淫」(ボストン、金と男) - 「貪欲」(ボルティモア、成功の絶頂に迫る) - 「嫉妬」(サンフランシスコ、まとめ) - エピローグ(ルイジアナ)という構成。
 初演したロッテ・レーニャの録音や、ヘルベルト・ケーゲルなどは癖が強い女声で勧め難い。かといってサイモン・ラトルの若き日の録音はあまりにあっけらかんでこれもどうも。

 こちらもややあっけらかんというかすっきり系ではありますが、エピローグの思わぬじっくりとしたテンポと次曲のコントラスト等随所が印象的なケント・ナガノ、ピーター・セラーズ演出の映像版がありました。

 音盤としてはローター・ツァグロセクが良いかと。

 あとはマイケル・ティルソン=トーマス盤。


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