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運命の動機の拡大形 (二部作) part 2

https://youtu.be/hPSHXW0Vv60?si=Vv4mGKDjXE8yUYd1

 そです、ジョージ・セル指揮クリーブランド響で高らかに鳴り響いていました。ただし2回目だけだと思います。それにシャイーほどの大音響ではないようです。1回目については2回目を参考にこっちもやっちまえ、てなったんではと勝手に推測します。
 セルのオーケストレーション変更はかなり積極的で、随所にホルンの厚い響きがブレンドされます。結果、例えば交響曲第六番の終盤のクライマックスは凄まじく、穏やかに終息に向かうにつれてカタルシスを感じさせられますが、今日の耳には盛られた感は否めないとは思いますがそれも悪くはない。ニューヨークフィルはアーカイブで歴代のレジェンドも使用した書き込み入りのスコアを公開してるんで、もしかしてクリーブランドもと思いあたってみましたが残念ながらまだ見つけられず。シャイーが閲覧しただろうスコア見てみたいです。
 第五番の拡大形は決して偶然ではなく、ベートーヴェンが意図して組み立てたものの筈です。もしかするとピリオドオーケストラならばオリジナルのオーケストレーションでも無理なく聴こえてくるのでは考えました。というのは、ナチュラルホルンを使用した場合第一パートは自然倍音なので普通に演奏できますが、ハモリで細かく動く第二パートはゲシュトップ奏法が必要で、結果音量も落ち音色もくすむので、自然に拡大形が浮かび上がるのではと。そう思って聴いてみると、エマニュエル・クリヴィヌ指揮ラ・シャンブル・フィルハーモニック、
そしてサヴァール指揮ル・コンセール・デ・ナシオンの演奏では無理なく聴き取れると思いました(※個人の感想です)。ただしどちらも2回目だけです。1回目を目立たせるのはよほど意図的にしないと、しかもモダンオケストラなら尚更なんだと感じたす。
 折角の細部が埋もれてしまうのは残念ですが、なあ〜に〜、やっちまったなあ、な不自然な強調ももっと残念です。男は黙ってピリオドアプローチ、男は黙ってピリオ…それじゃみんな痩せちゃうよお。


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