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テレマン 歌劇「辛抱づよいソクラテス」(1721) その1

 第一幕第三場 No.5 五重唱と第三幕第十場 No.39 二重唱の抜粋、インスブルックでの収録。いい悪ふざけしてます。セットのシンメトリー、おそらく妻が二人いる事がアイディアの源泉なんでしょう。

 残念ながらルネ・ヤーコプスの正規録音はないのですが、ライブらしき音源はありました。


 そしてフンガロトンの誠実で好感度の高い録音があります。

 1721年ハンブルクはゲンゼマルクト歌劇場で初演、その評判で翌年楽長に迎えられるきっかけの作品です。四時間弱の大作で全篇愉悦に溢れてます。ルネ・ヤーコプスの言う通りソロよりもデュエット等アンサンブルの面白さが目立ちます。イタリア語台本を自由にドイツ語翻訳、元のイタリア語アリアも残しながら付け加えられたドイツ語アリアに工夫が多いとの評価も。では頑張って記述してみましょう。
 第一幕フランス風序曲で開始、幕が上がり第一場ソクラテス(バス)の部屋、静かに瞑想するソクラテス(No.1 アリア ト長調 ドイツ語)。第二場騒がしくクサンティッペ(ソプラノ)とアミッタ(ソプラノ)の二人の妻が争いながら登場、発端はアミッタの雌鶏が卵を1個余計に産んだ事、ソクラテスはアミッタの卵一つをクサンティッペにあげるって案でなだめる。気を取り直した二人(No.3 二重唱 ハ長調、イタリア語)。第三場ソクラテスの弟子達、アルキビアテス(テノール)、クセノフォン(テノール)、プラトン(!)(バリトン)にソクラテスの助手ピトー(テノール)とソクラテスの五重唱(No.5 変ロ長調 ドイツ語)。(傑作。上の動画参照。マクゲーガンのスタジオ録音はよりスピーディでスリリング) クサンティッペがやって来て約束の卵は?ってソクラテスが取り合わないんで怒って去る。この辺り声がキンキンして可笑しい。第四場青年貴族メリート(テノール)登場、挨拶を交わしアリア(No.7 ヴィヴァーチェ ロ短調、イタリア語)、皆で唱和する。メリートとソクラテスは連れ立って外出、残ったピトーはワインを盗み飲みして怪しげなラテン語混じりのドイツ語アリア(No.9 アレグロ・アッサイ ホ長調)。…続く

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