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シリアスな(?)プーランクその6 カルメル派修道女達の対話

 全3幕、各々4景からなり、それぞれをほぼ間奏曲が繋ぎます。特に第二、三幕は幕間劇に拡大されています。ナンバー形式ではなく、かと言ってワーグナー流でもなく、後期のヴェルディに連なるでしょうか。リコルディからの委嘱作で出版だしね。初演もイタリアでイタリア語でした。
 プーランク本人が、モンテヴェルディ(!)、ムソルグスキー、ドビュッシーそしてストラヴィンスキーに多くを負っていると述べてますが、直接的に感じるのはストラヴィンスキー「エディプス王」のエコーです。ファンファーレ、ラテン語。断頭台での終景の前奏曲は、エディプスでの冒頭あるいは終盤のオスティナートが聴こえてくる。
 もちろん世界初録音、デルヴォーさん指揮主演ドゥニーズ・デュヴァルが鉄板です。久々の録音となったケント・ナガノ盤、柔(やわ)すぎるとの印象が強かったんですが最近これはコレでいいのだと思い直しました。舞台収録ならばジャン・レイサム=ケーニック指揮ライン=オペラ、歌い手ではプティボンのコンスタンスが印象的。
 ケント・ナガノのバイエルンでの舞台収録には手が伸びない。チェルニアコフなので、きっとカルト宗教集団かなんかに読み替えてんだろと思ったらどうも正解らしくしかも幕切れにはもうひとひねりがと。ブランシュが自ら進んで...というのがひっくり返されてんだろな、と思うと、とても観ようという気がせんのです、はい。


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