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【質問回答集】子供の外斜視について



こんにちは!視能訓練士のヤスです。
視能訓練士免許(国家資格)を取得し、小児眼科に勤務して17年になります。

Instagramで『子どもの目の健康』の情報発信を行っています。

そんな中、DMやストーリーズの質問募集にて、子どもの目で悩んでおられる親御様からたくさんの質問が日々届いています。

この記事では、親御様からいただいた多くのご質問の中から、主に『外斜視』に関する質問とそれに対する回答を紹介します。【医師監修あり】

※視能訓練士は診断はできませんので、一般的な眼科疾患知識の説明と現在の治療方針の解説になります。

お子様の未来のために、全国で治療を頑張っておられるパパママのお役に立てれば幸いです。

目次で質問内容を確認の上、ご購読下さい。


外斜視、上下斜視に関する質問

(Vol.1)6歳の間欠性外斜視│急な手術宣告を受け止めきれません。

【質問】
最近、6歳の娘が間欠性外斜視と診断されたものです。

3歳のときから気になって色んな眼科に行ってたんですが、ずっと経過観察でした。

最近斜視の角度が大きいから総合病院を紹介すると言われて、今日行ったのですが、「手術しかないね」「家族と相談してどうするか決めてきて」
とあっさり言われて頭が真っ白になりました。

視能訓練士さんには「もう両目で見る力はあるし、あとは見た目だけの問題だから手術はしてもしなくてもどちらでも」と言われたのですが、ネットの情報だと片目でしか見なくなると慢性的に外斜視になるとも書いてあり、何が本当なのかわからない状態です。

ズレが大きいから手術となるなら、もっとズレが小さいときにメガネ等で治すことはできたのでは?と自分を責めてしまいます。

【回答】
手術しかないと言われたら、ショックですよね。

まず、子供の間欠性外斜視を診る上で1番大切なことは斜視のせいで弱視になっていないかということと、両眼視機能の発達が悪くないかという点です。

視能訓練士さんに「両目で見る力がある」「見た目だけの問題」と言われているということは視力や両眼視機能は問題ないということだと考えられます。
その時点で経過は良好なので、まずは安心してくださいね。

紹介先の医師が手術しかないと言ったのは、見た目を治すためには手術しかないという意味合いでの発言だと思われます。

斜視の量が大きいと残念ながら訓練や斜視矯正用のプリズムメガネは適応範囲外になってしまう場合があります。

間欠性外斜視は生まれつきの目の構造上の個性(皆顔の形が違うのと同じ)なので、はやくにプリズムメガネをしたからといってその個性が治るわけではなく、弱視を予防したり、両眼視機能を育てたりと視機能の向上維持を目的に行うものです。

メガネなどをせずに視力や両眼視機能が正常に発達しているわけですから、現時点まではベストの選択で来れていると思いますよ!
だから自分を責めないでくださいね!

年齢を重ねると、寄り目をする機能が少しずつ低下することは確かなので、ズレっぱなし(特に遠見時)に移行してくる可能性は否めません。

女の子ということで、年頃になると見た目を気にされる可能性もあるし、目の疲れによって勉強に集中しにくくなるといったことなどもよくある問題です。

間欠性外斜視は生まれつきの構造上の個性なので、あまり深刻な病気とは捉えずに、ゆっくりとご家族で相談して決められることをおすすめします。

慌てて手術したくないのであれば、元いた眼科で視力や両眼視機能の経過観察をしながら、ゆっくりと決めていかれても問題はないのかなとも思います。

斜視の手術は「目の周りについている筋肉の長さを調整するだけ」というふうに考えれば比較的怖いイメージも和らぐかな?とも思います。

(Vol.2)間欠性外斜視でプリズムメガネ装用│左目が斜視になりやすいのですが、なぜプリズムは両目に入れるのでしょうか。(3歳)

【質問】
間欠性外斜視の3歳娘がいます。
6△のプリズムメガネを今日からかけ始めました。

質問なのですが、娘の場合は左目が明らかにずれやすいのですが、プリズムは左右同じだけいれています。

素人からすると左だけ入れればいいのでは?と思っていたのですが、両目に入れるものなのでしょうか。

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