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『アイデンス~経営の棋士~』特集③


今回は細かい解説をしていきたいと思います!



まずは……

1章のストーリー解説


『アイデンス~経営の棋士~』が2つの章に分かれているのはご存じだと思います。

第1章はクリスマスの夜、左亞(さあく)の父である佐助(さすけ)が事故で死亡するところから物語が始まる。

左亞
がアイデンスを継ぐことを決め、藍伝がそのサポートをすることに。そして、3月までに経営を立て直さないと命はないという状況。

2人は次々と現れる人物との関わりを通して、経営立て直しの糸口を探る。が、大学のすぐ近くに位置するアイデンスは1月が勝負。2月以降は春休みになって学生が激減する。

結局立て直しは果たせず、左亞は仲間の裏切りによって死亡。だがそれがきっかけで黒幕の正体にたどり着き、藍伝は『ナナク祭 模擬店対決』の提案を持ちかけ、自身が社長を継ぐ決心をする。ここまでで1章。

第1章では人がたくさん死にます。あと治安がめっちゃ悪いです。

アイデンスの経営状況を全盛期だった4年前のレベルまで立ち直らせる」。これが第1章の目標です。期限は3月いっぱい。クリスマスから物語が始まるので3ヶ月しかないですね。無茶な話です。ですが、これが達成できなければ制裁が下ります。今までは佐助に向けて出されていた課題ですが、彼が死んだことによって左亞にターゲットが移りました。


将棋教室の先生、警察官、財閥の娘、ハッカー……この作品ではさまざまな人間が登場しますが、一番重要となるのは飛騨先生でしょう。彼の将棋のアドバイスを藍伝が経営に置き換えていくシーンは毎回鳥肌ものです。

あとは裏切りのパインですね。あの回は衝撃でした。アイデンスを去るときに藍伝に向けて言うセリフ、

藍伝を指さしながら、

「貴様がいっつも俺より少し上のレベルでいてくれたおかげで、ほんのちょっと頑張れたこともあるァ。切磋琢磨できる親友がいてくれて、心から感謝してるぜィ。」

そう言って、男は去っていった。

このとき藍伝はまだ記憶を失ってる最中なので、ここのセリフがどういう意味なのか分かってないんですよね。

その後、ヒロインと再会して記憶を取り戻してハッピーエンド。と思いきや左亞が死んでるという。パイン藍伝の会話は、左亞を殺して帰る道中だったんです。ほんと、いいキャラですよパインは。


あとは本作の黒幕、桐生蒼伍です。彼の動機は「街を救いたい」っていう純粋な正義感です。ただ、その方法が悪かった。最先端科学技術による事故演出、マフィアを使った完全犯罪。

彼のセリフはめちゃくちゃ長いことで有名ですね。内容も、間違ったことは言っていない。飛騨先生とは違ったアプローチで、藍伝に現実を教えるキャラとして作用しています。


第1章は『ナナク祭』での対決を約束して終了です。アイデンスのすぐ近くの大学「ナナク大学」にて行なわれる学園祭。ここで模擬店をだし、蒼伍率いるBUTTOBIに勝つこと。その成果でアイデンス復活の兆しを提示することが狙いです。


2章のストーリー解説


第2章は7/7~7/9の3日間で行なわれる『ナナク祭』にて、藍伝率いる「アイデンス」と、蒼伍率いる「BUTTOBI」で模擬店経営の成績で勝負する内容が描かれている。

4月から3ヶ月の準備期間、藍伝はトップに立つことの難しさに打ちのめされ、ときには選択することに恐怖を覚え、自らの性格を否定され、組織がボロボロになりかけることも。

しかし、「美しい経営」を見せつけ、アイデンスの復活を宣言するために、彼らはナナク祭当日に挑むのであった。____つづく。

第2章では藍伝の葛藤が1章以上に描かれます。商品開発から試作、マーケティング、仕入れ、会計などの流れに沿って、トップに立って人を動かすことの難しさに悩まされます。

また、彼の考え方や態度、性格が段々と変わっていきます。今までの藍伝のスタイルで全く上手くいかず、飛騨先生の指摘によって自らの未熟さに気付き、変わり始めます。そんな彼の成長が見所です。



そんな藍伝、ナナク祭の1日目の朝にとんでもないミスに気付きます。「発注ミス」です。準備していた紙皿1000個入り、そのすべてのサイズが想定していたものより一回り小さかったのです。

これは藍伝の精神を大きくえぐります。彼は心神喪失状態となり、経営はおろか、まともに会話することさえ出来なくなってしまいます。アイデンスのメンバーは、車椅子に座って眼の色を失った社長が再び目覚めるのを信じて、学園祭1日目へと挑みます。


__もし私が倒れて、

最後の力であなたを呼んだら、

きっと立ち上がってこの局面を解いてね。



__だってあなたは、


最強の棋士なんだから。


果たして藍伝は復活することが出来るのか。乞うご期待!!!



舞台解説


アイデンスでは、地名がいくつか登場します。その設定を大まかに解説していきます。


まず、舞台となるのは大きな長方形の形をした島国「キューキュー大陸」です。「9×9大陸」とも書きます。

この大陸では、縦横それぞれ9個のレーンに分け、将棋の要領で「4五」「8七」といったように地方が決まっています。

藍伝たちが暮らす『ナナク』7九に位置しています。ここは大陸一のマンモス大学『ナナク大学』を中心に栄える街です。

椎菜の屋敷があるのは『セブンスヘブン』7七です。ここには多くの富裕層が集まっています。

乙葉の前担当だった地域『ニーナン』、2七

杏樹と出会ったのは『フーサン』、2三です。

そして、ホワイトハッカーであるハドリー・ジャクソンの出身はイラン。大陸外です。



月城姉妹との出会いの解説


四つ角のど真ん中で正面衝突。事故後、すぐに病院に運ばれ、佐助と相手側共に息を引き取った。現場に遭遇した2人はその足で病院に駆けつける。

藍伝は病院の廊下で、事故の相手側の関係者に声をかけられる。

「____あなた、名前は?」

佐助の車とぶつかったのは、月城財閥の執事が運転するリムジンだった。そして、藍伝に名前を聞いたのは月城家の令嬢、月城椎菜

今回の事故は、交差点のど真ん中で双方が同じタイミングでハンドルを切った形でぶつかっていた。どちらも相手に向かって、吸い付くように、突然ハンドルを右に切っていた。ゆえに、過失なのか故意なのか、雨の影響なのか、なぜこんな事が起きたのか全く分からない状態であった。

よって、月城財閥は事故後すぐに病院、警察、マスコミ等のあらゆる方向へ此度の事故の一切の口止めを命じ、事故原因の解明を預かることとした。もし仮に月城側に過失があった場合、財閥の名を汚すこととなる。そして何より、あのリムジンは本来なら椎菜を乗せている予定だったため、令嬢を狙ったものと疑われたのである。


そんなわけで早めに病院から帰ってしまった藍伝は、口止めのため財閥の使用人に追いかけられることとなる。なお、その話を聞いてないため、単純に黒スーツの男達に襲われたと勘違いする藍伝。

だが逃げ足だけはめちゃくちゃ速く、豪雨の聖夜でびしょ濡れになりながら何とか使用人達を巻いたのだった。


空腹、びしょ濡れ、全力疾走でボロボロの藍伝は道路に倒れる。そこに…

「あの……大丈夫?」

目の前でしゃがみ込み、傘を差し出しながら____
金色の長い髪を赤いリボンで束ねた可憐な美女は、彼にそう問うのであった。

使用人から逃げた先でヒロインである梛華(なぎは)に出会う。彼女は本名を隠し、「」と名乗る。表向きは駆け出しのデザイナーだが、実は超人気18禁イラストレーターであり、そっちで生計を立てている。

そして後に明らかになるが、月城財閥の令嬢__月城椎菜の実の妹である。本名は月城梛華。18禁イラストを描いていることが親にバレ、「月城家の娘としてふさわしくない」と否定され、高校卒業と同時に家出。それ以来、家族とは連絡を取っていない。


藍伝が誰かに追われていることを悟り、梛華はマンションの自室にかくまう。夜が明けるまでの間、食料を与え、シャワーを貸し、雑談をして過ごす。

7時過ぎになると、代わりのジャージを貸してもらい、帽子で顔を隠し、何とか家に帰ろうとする藍伝。(なお、ジャージを返すためという口実で難なく連絡先をゲットする藍伝



これがヒロインとの出会いです。梛華椎菜は物語において非常に大事な役割を果たすので注目です。




さて、

かなり話の構成が出来てきたので後は本文描くだけですね。まだ描いてないですけど。描きますよ。


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