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霜月の月

紅葉なんて全然知らずに、もう終盤らしい。
先日の皆既日食は、人生で初めてちゃんと見たかもしれない月食で、見すぎて目が乾いて頭が痛くなった。
いつも、曇っていたり、関東からは見づらかったり、なかなかいい条件が整わなかったけど、
普通の状態でもとても大きく輝いていた月が、すっぽりと隠れてしまった。
宇宙には行ったことがないし、詳しくもない。
頭のいい大人たちが何年も何百年も考え続けても答えが出ないような、果てしなく大きな存在に、包まれて生きているということを感じさせてくれた1日。
1秒1秒を見逃してしまうのがもったいなくて、ずっとずっと空を眺めていた。
昔から、月が好きで、星が好きで。
つらいことがあった時は、地面ではなく、決まって夜空を見上げていた。
今見ているものが過去であるとか、そんな難しいことはわからないけど、
目の前にある月が美しいことだけは、私にもわかる。

せわしなく過ぎていった日々も、尊いものだったけれど、
見えていないものが多すぎた気がする。
立ち止まって、振り返って、一歩進む。
いつもそうしてきていたはずなのに、
余裕がなくなるとどんどん見えなくなって、目の前の現実すら歪んで見えていたんだと、そんなことを教えてもらっている毎日。

仕事に追われてしまっている人、忙しくて、走り回っている人、
どこかで立ち止まれることを願う。
呼吸をしなければ死んでしまうのだから、大きく息を吸う時間を。

これから忙しくなるからこそ、
皆がおいしく空気を吸えますように。

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