血統に物思う②

つい先ほど、3強といわれた天皇賞秋で3歳馬エフフォーリアが優勝した。

これはすごい、マジですごい。

同じことをピクシーナイトの時に書いたばかりなのに、同じようなことが連続で起こるとは思わなかった、くしくもエフフォーリアの祖父であるシンボリクリスエスが成し遂げた3歳での秋天制覇を孫が再現したわけである。

加えて、見事な騎乗で親の成し遂げた菊花賞逃げ切りを再現した横山騎手、悔しかったであろうダービーハナ差負けを払しょくするGⅠ3勝目を、親子3代での秋天制覇というおまけ付きで成し遂げた。

自分が競馬ゲームから離れていたのは何が原因だったのか考えると、ひとえに「サンデーばっかでつまんねー」という血統ゲームとしての競馬ゲーの破綻に一因があったように思う。一時期ノーザンばっかだった競馬血統にニックスとしてヘイルトゥリーズン系が跋扈しだして、ロベルトから連なるブライアンズタイムやリアルシャダイが結果を出し、究極系がサンデーサイレンスの登場だった。

そしてその最高傑作といってもいいディープインパクトの仔達が大暴れしだしたときに、僕は考えるのをやめた。

別に日本競馬の血統がセントサイモンのようにサンデー一色になるのも否定はしないし、強いのだからしょうがない。それが競馬ってもんだから。

でもだからこそ、ピクシーナイトの血統構成には新しい光を見てしまった。

サンデーサイレンスに完全に負け、ロベルトから連なるヘイルトゥリーズン系はすっかりどこかに行ってしまった。ナリタブライアンの早逝はいかにも惜しいといったところではあるが、ピクシーナイトの曽祖父であるグラスワンダーも、シンボリクリスエスも、このロベルト系の忘れ形見、つまりは「サンデーサイレンスを介さないヘイルトゥリーズン系」がここにきて、ディープという英雄がこの世を去った後に捲土重来しているのは面白い。

また、今回のエフフォーリアの母父ハーツクライは日本国内で唯一ディープインパクトに土をつけた馬であるのもまた痛快ではないか。

いわゆるステマ配合と呼ばれるステイゴールド×マック母父配合が結果を出したのは実はニックスでもなんでもなく、母系にもあふれかえっていたヘイルトゥリーズン系に対しての拒否反応ではないかと感じたりもする。

あのゴルシの頑強さはひとえに薄いインブリードからくる健康のなせるものであったのではないかと血統見る人からすると感じてしまう。

ところで、ここまでくると一時期のノーザンダンサーも5台血統表には見えなくなってきた。新種牡馬ドレフォンは新馬でも結果が出ていて面白いなあと思ったりもしてきたので、血統を楽しめるときがまた来るのかもしれない。

馬も騎手も種牡馬も、世代交代の時がやってきているかもしれない。


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