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【犯罪が横行するテレグラム、韓国での利用率が急増している理由】サイバー脅威と政策に関する重要ニュース

こんにちは。S2W NOTE編集です。
今回の記事では、グローバルニュースを元にサイバー脅威や関連政策に関して重要なニュースを抜粋してお届けします。

以下、2024年5月25日の韓国のニュースメディア『Money today』の記事を翻訳・編集した内容になります。

韓国の代表的なメッセンジャーアプリ「KakaoTalk」に続いて、2位の利用率を誇る「テレグラム(Telegram)」は、韓国での4月のMAUが300万人を超えました。犯罪が多発しているテレグラムが韓国で浸透している真相についてご紹介します。

5月21日、ソウル大学の卒業生たちが同窓生の写真をわいせつ物と合成したわいせつコンテンツを制作・流布したとして検挙されました。
過去の「N番部屋事件」のように今回もテレグラムが利用され、捜査と規制の死角となり各種犯罪の温床になっているという批判が集まっています。

ですが、テレグラムは直近3年間、韓国で利用者が最も増加したモバイルメッセンジャーであることが判明しました。

5月24日、モバイルインデックスの調査によると、テレグラムの韓国でのMAU(月間アクティブユーザー数)は今年4月に300万人であると報告されました。これは3年前の2021年4月の249万人に比べ、20.5%(51万人)の増加です。
テレグラムのMAUは着実に増加しており、今年3月に入って初めて300万人に達しました。

直近3年間、韓国で利用者が急増したモバイルメッセンジャーアプリはテレグラムだけです。
同期間、メタ(旧Facebook)「メッセンジャー」の韓国MAUは587万人(2019年4月)から246万人(今年4月)と58.1%(341万人)減少しました。
テンセントの「WeChat」のMAUも129万人から115万人に10.9%(14万人)減少しました。Naver「LINE」のMAUは189万人から204万人に15万人(7.9%)の増加に留まりました。
メタのもう一つのメッセンジャー「WhatsApp」は今年4月、MAUは70万人で、3年前に比べ75%(30万人)増加し最も高い記録でしたが、依然としてテレグラムの増加率には届きませんでした。

韓国を代表するメッセンジャー「KakaoTalk」のMAUは同期間に4,419万人から4,492万人に73万人増加しました。増加した利用者数は最も多かったのですが、3年間の新規増加率は1.7%と事実上成長停滞期に入っています。

テレグラムはロシア企業のパベル・ドロフが開発し、2013年8月ドイツでリリースされました。現在、本社はアラブ首長国連邦(UAE)ドバイにあります。エンドツーエンド暗号化を適用した「秘密対話」など高いセキュリティ性を誇っており、テレグラムのグローバルMAUは9億人です。「WhatsApp」、「WeChat」、メタ「メッセンジャー」に続き、利用者が世界で4番目に多いです。

韓国でKakaoTalkが議論に巻き込まれるたびにテレグラムが注目されました。2014年に「KakaoTalkのサイバー査察」議論が浮上した当時プライバシー侵害を懸念した利用者が、一挙にテレグラムに加入しました。また、2022年10月SK C&C板橋データセンターの火災によるKakaoTalkの通信障害の時に代替メッセンジャーとして注目されました。
大統領と与党有力者のテレグラムのチャットルームが公開され話題になるなど、政治関係者も幅広く利用しています。

実際に、直近3年間でテレグラムの新規インストール件数が最も多かった時期は2021年12月(29万件)でしたが、この時はオープンチャットルームやインターネットコミュニティにユーザーが掲載する動画の違法撮影の可否を事前確認するようにした「N番部屋防止法」 の施行時期でした。その後インストール件数が多かった時期は、KakaoTalkの通信障害が発生した2022年10月(28万件)でした。
また、最近1年の月平均新規インストール件数は21万件で着実に利用者層が増加傾向にあります。

ですが、テレグラムのセキュリティを逆手に取って、麻薬取引・性搾取・コイン・株式リーディングルームなど各種犯罪の温床となっています。
テレグラムは海外にサーバーがある海外企業であるため、韓国の規制をすり抜けることができ、犯罪が明らかになっても、韓国の捜査当局の協力要請が容易に受け入れられないため、こうした犯罪の温床となっています。

マスコミがコントロールされている一部の国は、表現の自由を保障する空間としてテレグラムが機能していますが、テロリストやサイバー犯罪グループの悪用が増加しているため国際社会でもテレグラムの成長はジレンマとなっています。

これに対して一部国家では、テレグラムの利用を禁止または制限するなどの対策を講じました。プラットフォーム業界関係者は「韓国産メッセンジャーはプライバシー保護や犯罪予防などのために継続的に機能を補完しているが、テレグラムなど海外メッセンジャーを放置していると規制の実効性は落ちる」とし、デジタル犯罪の捜査機能の強化など対策の必要性を強調しました。