【韓国、ハッキング・DDoS攻撃、上半期被害額5,445億ウォン…昨年の約12倍】サイバー脅威と政策に関する重要ニュース
こんにちは。S2W NOTE編集です。
今回の記事では、グローバルニュースを元にサイバー脅威や関連政策に関して重要なニュースを抜粋してお届けします。
以下、2024年8月12日付の韓国メディアの『アジア経済』の記事を翻訳・編集した内容になります。
韓国での今年の上半期におけるハッキング・DDoS攻撃など情報通信ネットワーク侵害に関する犯罪被害額が、既に前年の約12倍に達することが確認されました。
大量のスパム・スミッシングなどニオyり国民の被害が大きくなっていますが、検挙率は20%台に過ぎません。
警察は追跡技術の開発・国際捜査の強化など対策の策定に乗り出しましたが、実質的な犯罪阻止には力不足のようです。
12日、共に民主党のパク・ジョンヒョン議員が警察庁から提出された「情報通信ネットワーク侵害に関する犯罪統計」によると、被害額は昨年464億ウォン(日本円で約50億円)から今年1~6月5,445億ウォン(日本円で約600億円)に急増しました。
被害タイプ別では、現金75億1,714万ウォン(日本円で約8億円)、有価証券14億8,271万ウォン(日本円で約2億円)、暗号資産5,314億3,574万ウォン(日本円で約600億円)、その他41億6,337万ウォン(日本円で約5億円)となりました。
情報通信ネットワーク侵害犯罪は、不法アクセスを行いコンピュータまたは情報通信ネットワークに侵入したり、データプログラムなどを毀損・変更してシステム障害を起こす行為です。
特に暗号資産を狙ったハッキング攻撃が急激に増えました。犯罪者たちはブロックチェーンネットワーク、暗号資産ウォレット、取引所などを標的にハッキングを試みています。
実際、今年上半期の被害件数2,381件のうち、ハッキングが1,400件で最も多く、その他(752件)、マルウェア流布(203件)、DDoS攻撃など(26件)が後に続きました。
情報通信ネットワーク侵害犯罪は今年上半期基準で毎日平均13件以上発生していますが、検挙率は30%に満たない状況です。
年別の情報通信ネットワーク侵害犯罪発生件数と検挙率は2019年3,638件・27.6%、2020年4,344件・20.9%、2021年3,845件・32.6%、2022年3,494件・20.3%、20.8%、2024年1~6月2,381件・21.4%と集計されました。
警察関係者は「情報通信ネットワーク侵害型の犯罪は、暗号資産、ダークウェブ、VPNサービスなどの追跡を回避できる技術を使用し、海外犯罪者の韓国の機関・企業・個人を対象とした犯行も多数発生している」とし、「他の犯罪に比べて被疑者検挙に相当な努力と時間がかかっている」と話しました。
情報通信ネットワークの侵害は、二次、三次犯罪や被害にもつながっています。スパムの申告は昨年の3億件から今年上半期だけで2億件を超え、スミッシングは50万件から88万件に増加しました。このような傾向が続くと、今年の年間の申告件数は4億件を突破するものと見込まれます。
これは、メッセージの再送信をする企業をハッキングした攻撃者が奪ったアカウントで大量のスパム・スミッシングメッセージを送っていることが原因であることが判明しました。
現在、警察庁は暗号資産・ダークウェブなどを追跡できる技術やシステムを開発し、サイバーテロ捜査官を対象に模擬訓練、専門化教育を行い、捜査能力を強化していると明らかにしました。
また、海外の法執行機関や国際刑事警察機構(ICPO)・欧州刑事警察機構(Europol)、グローバルIT企業との協力を強化し、サイバー犯罪関連国際条約への参加を推進するなど、国際協力体系の強化に努めていると説明しました。
高麗サイバー大学警察学科のイ・ユンホ碩座教授は「人工知能(AI)活用など犯罪手法が進化した影響で、検挙率は低くならざるを得ない。事実上、市民が危険にさらされている」とし「情報通信ネットワーク侵害犯罪は、単にハッキングだけに留まらず、他の犯罪にまでつながり得る。実際の被害規模は大きくなることがあり、被害が現状復帰することはほとんどない」と述べました。
それとともに「警察が事後対応ではなく、囮捜査や偽装捜査など事前に予防的な活動が必要だ」とし「人権侵害、表現の自由への抑圧という指摘が出るが、公共の利益と安全のために積極的に捜査できるように裁量権を広げる必要がある」と述べました。