2020年5月7日

定例のオンライン会議。自粛解除以降の話をしているのに全く明るい話が聞こえてこない。
今秋冬から上演再開できたとして、果たしてフルキャパでチケットを売って大丈夫なんだろうか。仮にフルキャパ稼働できない場合、どこまで間引かなければいけないのか。当然ながら、今年上演するものは数年前に立案して1年くらい前には予算が組まれ(大抵が8割以上入らないとペイできないものが多い。満席でもほぼ利益なし、再演を見込んで黒字を狙っていく場合も)、もちろんフルキャパ前提で上演回数を決め込んでいるので、何らかの補助が出ない限り、減収どころかペイラインにすら乗らない可能性が高い。
それに、間引き問題を抜きにして考えても、いつまた感染がぶり返すか分からない状態なので、最悪の事態も想定してチケット販売・宣伝スケジュールは可能な限り後ろ倒しになり、個人のお客様の買い控えが進む。そして何より、企業、学校が演劇鑑賞に対して慎重な姿勢になって(金銭・時間的余裕がないだろうし、色んな意味で、演劇がイメージダウンしましたしね。。)団体客が激減する可能性が非常に高いので、そういう意味でもペイラインにのせるのは至難の技になってくるかと思います。(団体客を入れることに拒否反応をされる方をたまに見かけますが、特に大型公演に関して稼働を下支えしているのは団体のお客様です。よっぽどの人気公演でない限り団体0で成立させられる大型公演はありません)
なので、たとえ三密問題による稽古・本番の中止を乗り越えたとしても、資金面で成立せず中止になるもの(あるいは、例えばミュージカルだったらリスクの低いコンサートに、演劇であればリーディングに企画変更して費用を抑える)も今後増えてくるかと思います。
並行して、映像化・配信についても試行錯誤していますが、あくまでも副次的な収入にしかならないと思うので(もちろんそれをいかに増やしていくか努力して考える必要はありますが)、根本的な解決には至らないかとは思います。

最近考えているのは、「体験」について。映像で体験らしきもの、あるいは劇場ではできない楽しみ方を提供すること。劇場では今までより付加価値を付けた濃厚な体験を。
体験のハードルを下げつつ、体験のバリエーションを増やすこと。それが解決策に繋がるかは分からないけど、興味を持っています。

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