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ショート小説「頭の中」

僕の頭の中はいつも渋滞している.

あれもやりたい.これもやりたい.

次々に新しくやりたいことが出てくる.

これはいいことだが,ルールを守らず追い越しをすることもある.

まだやっている途中なのに,新しいことに目を向け始める.

そこからまだ何も得てないのにどうして追い越しをしてしまうのだろう.

頭の中に道路交通法がないから?いや,追い越しは違反ではないはずだ.

ならどうやってやめさせようか.独自に追い越し禁止のルールを追加するか.

いや,ルールを追加したところで守れるのか.

頭の中がグルグル回る.

一回深呼吸をしよう.

すーはー

よし.大丈夫だ.落ち着いた.

やっぱりルールを追加するのはなしだ.複雑になってしまう.

そうだ.道路を一車線にしよう.

そしたら追い越しもできないし,ルールを追加する必要もない.

よし.そうと決まればさっそく工事に取り掛かろう.

ドゥウィ―――――ン ドカ ドドドドド キュルリリリーン

よし.もう大丈夫だ.1つのことしか考えられない.

あれ?大丈夫なのか?

大丈夫なはずだ.

こうして僕の頭の中は正常に戻った.



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