天ぷら不眠【毎週ショートショートnote】

「だら子さんを殺した犯人がいます」

「えっ死んでたの？」
「だらだらしてるだけかと思ってた」

とあるコテージでオフ会が開催され、北海道から出席しただら子が死んだ。

刑事はとある男をさす。

「死亡時刻は午後8時、あなたは寝る時間が早いだら子さんをソファーへ移動させ、この毒を飲ませた、違いますか？」

「違います…だら子さんが早寝なのは知ってますが、食べさせてません」

「間違いないな」刑事は続けた。

「毒と言ったのに『食べさせてない』そう言いましたね？毒は飲ませるもの。これはだら子さんの亡くなった直後の写真です」

メンバーが叫ぶ。
「くちびる、てかてか！」
「不眠天ぷらを食べた唇…」
「ダメ！絶対！」
「長時間の睡眠時間が必要なだら子さん食べたら…」
「毒になり、死んでしまう！！」

とある男が床にくずれ、同時にポケットからロイズのチョコレートがぐちゃりと床に落ちた。

「早寝のだら子さんともう少し話したかっただけなのに…」

今日の月は天ぷらにみえた。

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