そこにある

苺が冷蔵庫にあった、そのことに400円くらいを払ったんだと思う。
しばし冷蔵庫を開けるたびに苺の香りがしたのだ。
それは日々の中において素敵なことだった。

年末の通院帰りに買った不揃い苺をやっと処した。
2パックのうち片方は全てが傷んでしまっている状態だったが、
もう1パックは少しかびているところがあるくらい。
小さなナイフでヘタと痛んだところとカビを切り取り砂糖煮にした。

ヘパイストスと都市ガスに感謝を。
加熱は偉大なり。

とはいえ、過信し過ぎないことだ。
傷んだものを使っている素人調理、これも早く然るべき様にしなければ。

コンビニで買ってきた4個入りプリンにかけて食べようかな。
紅茶を淹れて鍋から全てをこそげるのもいい。

苺や桃の香は果物の中では際立って好ましいと感じられる。
何が自分を引き付けるのだろうか。
水素と炭素と酸素の配列が少し頭をよぎった気がした。

本や果物や嗜好品を買い置くことで私は日々の中に何かを置いている。
実態はうまくつかめないけれども、それらが在ることが好ましいと感じる。
自分なりに意図的に外した箍によって為している。
先のことは考え過ぎないでおくことにしたんだ。

しかし、まったく今日も眠いことだ…

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