真摯に紳士で踊ろう

北ザナラーンに行くと、いつもと様子が違う。道端に魔物の死体がぽつぽつ落ちているのだ。嫌すぎ。ドブランにはじまり、バジリスクやアーリマンまでもが倒されている。それどころかデッカいキマイラまで死骸になっているではないか…。おそらくそのキマイラの近くに白髪鬼がいるとのこと…。最強の彫金師、白髪、とくれば流石に鈍い私もゴッドベルトのことだと気が付く。ここでお出ましってわけね！？

しかし図らずして白髪鬼を尾行する形になってしまったため、警戒されてなかなか相手が出てこない。おそらくまだ近くにいると思うのだが…。

なにっ…伝統の秘技…！？いったいなんだろう…気になる…。

ヒルディブランドが拳を構え、私は身構える。なんだ？波動拳みたいなことでもするのか…！？そしてその振動であぶり出すのか！？意外と武闘派だなヒルディブランド――…

！？！？！？！？？！？！？！？！？

？！？！？！？！？！！、！？！、？

突然謎のダンスを披露しだすヒルディブランド。なんだそのオラウータンみたいなダンスは！！（？）伝統…なのか！？ギルちゃんは「珍妙な舞だな」と言っていて、こいつやっぱ根は素直で優しいタイプなのか？となった。

なんでも白髪鬼はこの踊りを知っているので、見たら必ず現れるそう。…現れんけど…。しかもヒルディブランドは今ので足をくじいてしまい、踊れなくなったと言い出した。しかもなぜかジョシュアにこのヤバダンスを託してくる。嫌すぎるww

しかし踊らないことには進まないのだ…。潜んでいるであろう白髪鬼に見えるように、キマイラの死骸の近くまで行き、ジョシュアは覚悟を決める。

腹は括った――……。

wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

待ってwwwwwwwwwww想像以上にノリノリニコニコで笑ってしまうwwwww本当にダサめのダンスだと思うのですが、ジョシュアが楽しそうだからいいか…。ある意味こう……あれだな……おかあさんといっしょの、体操のお兄さんみたいな感じあるな…。

渾身のダンスを披露している間、ヒルディブランドはなぜか1人木陰に隠れて白髪鬼を探していた。なんだ？さすがのヒルディブランドもビビったのか？

姿はいまだ見えないが、どこからか声が降ってきた。

なにかが飛び降りてきて、砂埃が上がる。

……なんか……いや、ゴッドベルトなんだけどこの感じは…初対面は温泉だったから気にならなかったけど…もしかしてこの人ほぼ全裸スタイルがデフォ…なのか…？肌色面積…広いな…。

警戒するジョシュアとギルガメッシュ。武器を構えるが、ゴッドベルトと思わしき男は快活に笑い「今のところ、あなた方への敵意はありませんぞ！」と言ってきた。今のところかいっ！

その覚え方嫌すぎるんだけどwwこの場にいる皆に「ジョシュアって油塗り上手いんだ…」「何に／どこに油塗ったんだろ」って思われる…。ほとんどの人がゴッドベルトに油塗ったとは思わんだろうけども…。

……？？？？？？？？
マンダヴィル家の紳士の舞……。これはヒルディブランドから教えてもらったわけで……つまり……つまり……。……アッ（気付くのが遅い）

家族か…。なるほど…。それなら縁がなさそうな最強の彫金師の居場所をヒルディブランドが知っていたのも納得がいく。そういうことなら話も早そうだし、さて、壺を渡して事情を説明しようかねと思ったのだが、なぜかヒルディブランドがこそこそと逃げているではないか。

そして恐る恐るといった様子でヒルディブランドは振り返る。視線の先にはもちろん白髪の鬼こと、ゴッドベルト。

この画、マジで怖すぎるなww死んだキマイラ、それを倒したムキムキのほぼ全裸おじさん…。目が合うとヒルディブランドは脱兎のごとく砂塵を巻き上げ逃げ出した。

あ……そっか……最近生き返った（？）から知らないんだ……。ヤバ……。ヒルディブランドなんでちゃんと会いに行かなかったんだ…ww記憶が戻ってすぐ事件じゃなくて普通すぐ家族だよな…面白すぎ……。

ゴッドベルトはおもむろに膝をつき、ありえない爆速クラウチングスタートを切った。

一生懸命走り、ひたすらゴッドベルトから逃げようとしているヒルディブランド。

それを追いかけるほぼ全裸のムキムキゴッドベルト。

怖すぎるww

振り返り、追われていることを確認したヒルディブランドは驚きと恐怖で表情がヤバいことに…！！

歯を食いしばり、必死で加速する――…！！

そして直線に並んだ時、それは起こった……。

？？？？？？？？？？

マンダヴィル・メテオドライヴなるものを発動し、直線距離を超加速で一気に詰めると、ゴッドベルトはヒルディブランドの腰へタックル！！（どういうことだってばよ）

そしてそのまま持ち上げる！！こっ、これはプロレス技…！！

うわっ

ジョシュアたちが駆け付けたことには時すでに遅し。ヒルディブランドはへそから上が地面に埋まり、再び犬神家になっていたのだった。（語弊）

息子なんだ！？？！？！？でも生死不明だった息子が目の前に現れたからって、土には埋めんやろwwなんで埋めてんだよww出てきたんだよ地上にww

ところで話を聞くに、ヒルディブランドは10年前に家出をしていたらしく、再会はそれ以来とのこと。長い思春期か？

埋まってるんよwwはやく地上に出してあげてwwと思っているうちに、ヒルディブランドは自力で足をバタバタして地上に出てきた。腕も埋まってんのによく出て来れたな…。誰か助けてあげなね…。

パパって呼んでたの可愛い。なんで家出したんだろうね？気になるけれどその点は言及はなく、マリアを紹介して、ヒルディブランドは事の経緯を説明する。それから拾い集めた欠片をすべて差し出した。

なんて頼りになる人なんだ…。何でも直してくれそう…。文字通り朝飯前のスクワット前だったのでしょう。チャチャッと手早く正確に直してくれたゴッドベルト。マリアちゃんも見違えった壺に目を見張る。

ここまでで良かったんだ……。

アーーーーッバカ！余計なことするな！！

これが芸術だとゴッドベルトは大きな声で笑う。…。明らかに最初のより今時でセンスがいい。でもさすがに物が違うのは良くないと思うんだよな…！！もともとはソーン朝時代の壺だったっけ…！？

あまりに元の柄と全然違うのでヒルディブランドが声を荒げるが、何を勘違いしたのか、ゴッドベルトは家業を継ぐであろうヒルディブランドにいずれこの秘術を教えてやろうと言う。

結局ヒルディブランドは父親に、彫金師も宝飾商も継がないと宣言した。事件屋として困っている人を助けたい、それだけなのだ。きっとほかの人から見たら青いだろうし、金持ち息子の道楽とか言われるかもしれないけど、ヒルディブランドはそんなやつじゃない。マジで心から困っている人を助けたいと思ってるんだよな…。これって凄いことだよね…。

さもなければなんだよww怖いなww

憂う彼女を一番に慰めたのはまさかのギルガメッシュ。しかもギルガメッシュは、ヒルディブランドのことを見どころのある男だと言った。友人に褒められてめちゃくちゃ嬉しそうなヒルディブランドの笑顔面白くて笑っちゃった。そんな彼の目下の目標はもちろん、武器強盗を捕まえることと、マリアちゃんを笑顔にすることだ。

っていうか待って！？？！？！マリアちゃん、ドリルダのことお母さまって、あの、つまり……つまりもなにもないけど……親子なの！？！？実子かどうか知らんけど、いやでも髪の色とか、実子…か…！えーーーー！！なんか…いや、いろんな家族が居ることは知ってますけど…それはそれとして酷くないか？扱いが…。

モヤモヤしてしまったけど、ギルちゃんが武器強盗の捜索を手伝ってくれることになった。

心強いし、気持ちは超嬉しいんだけど、武器強盗はほぼ確実にお前のことなんだよね……とは言えないオカジであった。