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その男、武器強盗につき

修復されるどころかピカピカ別物に生まれ変わった壺を手にドリルダの下へ戻る。

どうせその辺で拾ってきたまがい物だろうと彼女は言うのだが、明らかに見た目が変わってその言い草、この人金額に価値を見出していて芸術品や骨董品そのものに全く興味のない人だな。お金を払って所持しているということに重きを置いているステータス人間。お買い物中毒かもしれない。きっと心が満たされていないんだね。

エリーさん良い人!

マリアちゃんは一生懸命頑張ったのだが、母親の冷たい反応に顔を伏せてしまう。しかも砂蠍衆の人が来るからと、ヒルディブランド一行にさっさと出て行けと言う始末。

するとちょうどタイミングよく誰かがやってきた。そこに立っていたのは――……。

服着てる!!まさかゴッドベルトがドリルダの家に来る予定だったとは知らなかったけど、なんかサポートしてくれそう…!ってか砂蠍衆だったの!?ちょっとゴッドベルトさん今のウルダハについてどうお思いですか!?(キレ)

事件屋はコメディ度がパラレルワールドみたいなもんなので、一旦ウルダハのことは頭の隅に追いやって、ゴッドベルトの交渉術の手腕を見て行こう。

まずは「ホゥ…まがい物?」とジャブから入り、このセリフ。ドリルダは真っ青な顔で壺を振り返って確かめ、慌てて取り繕いだす。

それは良かったとシンプルに返答した後すぐに、あえて関係性を文頭に持ってくる周到さ…。ドリルダはゴッドベルトの息子と知って慌てて捜査への参加を歓迎する。めちゃくちゃなスピードで捜査協力取り付けちゃった…。ベスパーベイの一豪商としては砂蠍衆に絶対睨まれたくないはず。こんな小さな町でそんなことになれば針の筵、引っ越しで済めば万々歳って感じ。多分睨まれたら豪商ですらいられなくなると思うし。まあこの対応になるわな。

ほんとだよ!そんなに凄い人だったなんて知らなかったよ…。ゴッドベルト様、ウルダハのことよろしくお願いします…。(他力本願寺)ちなみにゴッドベルトが砂蠍衆になっていたことは、ヒルディブランドは長い間家出していたこともあり、知らなかったそうだ。

まあ、とにかく捜査協力許可が出たので早速捜査に取り掛かろう!

ホニャララディアンwwwムリアルディアンでもなくてブリアルディアンね!

ホニャララディアン

全員で突撃するが、依頼人の許可があるなら仕方がないと、淡々と必要な情報を教えてくれ、状況を共有してくれた。悪いやつではなさそう。

彼が言うには作戦はもう決まっているとのこと。契約の剣の複製品を新しく用意させたので、これを自警団から選出した囮の輸送部隊に運ばせるとのこと。

ほ~ん。ちなみに本物の剣はクルザス某家の金庫の中で、武器強盗を捕らえるまでは外に出すつもりがないとブリアルディアンは明言した。すべてすでに準備が完了しており、手伝う余地はない……のだが、囮輸送部隊の近くで不審人物を探すくらいはしても良いと言われ、そうすることに。ブリアルディアン、マジで根はやさしいんだろうな。真面目~。ついでに武器強盗の特徴について確認する。

ほら~~や~っぱりギルちゃんじゃん!!ヒルディブランドは「それは分かりやすい不審人物ですな!すぐにでも見つけられそうですぞ!」って言うんだけど、いやもうお前会ってるんよ!記憶!記憶の中から今すぐ見つけて!!みたいな気持ちになる(笑)それじゃあアドネール占星台で会いましょうねと、エリーさんはブリアルディアンと先行してしまった。……え~~~~~?エリーさんちょっと!!そんなにイケメンがいいんですか!?!?と、思っているところに「遅くなっちまって悪ぃな!」と快活な声が。

ほらヒルディブランド!!目の前にいるぞ!!赤い頭巾をかぶった男が!!!!!!!!!!!

お…!!さすがにヒルディブランドも気づいたな。そう、目の前の男なんだよヒルディブランド。ギルちゃんと呼んでヒルちゃんと呼ばれ、友情が芽生えているなか辛いだろうが、こいつがまさしく赤い頭巾をかぶった武器強盗で――…。

ズコーーーッ!!


あまりの展開に昭和なリアクションをしてしまったじゃないか!!うそでしょ、さっきの今でもう間違う!?!?ギルちゃんも「なんだかよくわからんが、ダサそうなやつだなあ!」とか言ってるし!!ジョシュアは話を聞いてなかったのか(笑)なーんも言わんし!!

ギルちゃんが武器強盗だとも気が付かず、一行は遅れてアドネール占星台へ到着。特に任せてもらえる仕事はないのだが、不審者がいないか見回ることになった。ギルちゃんはちょこちょこ武器を探しに離脱するので、うまいことブリアルディアンたちに見つからず、ブリアルディアンたちが立ち去ってから戻ってくる、と言うような感じなので、面白すぎるすれ違いが起きまくっていた。

その見回り中、なんと雪の中に槍がおちていたらしく、ナシュちゃんが拾ってやってきた。

へえ、ヒルディブランドって槍術士だったんだ。知らなかった。その槍を背に、占星台の外も見回ろうという話になり、ヒルディブランド一行のみで外の見回りをする。武器探しから戻ってきたギルちゃんも合流。

だがいくら待てど暮らせど怪しいやつはこない。なぜならもうすでにここにいる赤いギルちゃんがその怪しいやつだからだ…。

あまりにも何も起こらないので、眠くなったヒルディブランドがあくびをしてから暇つぶしなのかギルちゃんに尋ねる。

柄が赤くて、先端に斧頭がついており、なんと銃口までついているイカした槍だそう。

かっこいい名前じゃん。そして特徴がまったく一致する槍が今まさにこの場にあるじゃん。

……

ンッフッフッフッフwwwwww面白すぎてこの辺ずっと声を殺して笑ってた。おかしすぎるマジでww華麗なるギルちゃんのツッコミにヒルディブランドは頭を横に振る。もともと5年前は自分の槍だったと主張していくが、拾ったなら俺のもんだよなとギルちゃんも引かない。そしてとうとう槍の引っ張り合いが始まってしまった。

不毛な言い争いが始まり、そして綱引きならぬ槍引きが激化していく。

イヨ~~ッ
ポンッ

というか引っ張られるたびに見えを切るのやめてほしいwwしかもBGMもずっと歌舞伎系というか「いよ~~っ(ポンッ)」っていうSEが入って腹筋がしんどいwwあまりにもずるすぎるライターの頭が天才すぎてww押しては返すやりとりに、お前らマジで仲いいなと笑いが止まらない。はよ決着つけんかいww!そして全く介入しないジョシュアとナシュちゃんはなんなんだww

顔を左右に振って槍引きを見守っていたジョシュアも疲労を見せ始めたころ…。

エリーさん!それにブリアルディアンたちも!!よかった、流れが変わりそうだぜ……。

エリーさんのごもっともすぎる指摘もヒルディブランドには響かない。「ギルちゃんですぞ?そんな悪党とは違います!」と言い出した。友達を信じる心は美しい…。が、しかし…。その悪党なんよ…。ギルガメッシュは「オレは強いやつと戦いたい、ただの『剣豪』……。武器を盗んだことなんて、一度もないぜ?」と堂々と言い張る。それもそのはず――

ですよね~。ギルガメッシュはそういうや否やヒルディブランドを突き飛ばし、槍を強奪する。包囲されていても彼には決着をつけたい相手がいるようで、こんなところで捕まってられるかと逃げ出した。

いの一番にヒルディブランドがギルガメッシュを追いかけていく。しかしブリアルディアンは動かない。慌てるどころかじっと彼らの向かう先を眺めていた。

そこまで織り込み済みだったのか。すげえな。頭良。流石事件屋男爵と言われるだけある。さて、ここからどうやって武器強盗を捕まえるんだ!?教えてくれ!!

あっハイ、それはもちろんです…。すみません武器強盗と遊んでて…。

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